日本人高齢者のうつ病に対する身体活動の影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/11/05 座位行動(sedentary behaviour:SB)を減らし、身体活動(physical activity:PA)を増やすことは、うつ病の減少との関連が示されている。しかし、SBがPAに置き換えられた際の高齢者におけるうつ病の潜在的なベネフィットに関する研究は、あまり行われていなかった。文化学園大学の安永 明智氏らは、日本人高齢者におけるうつ病と、客観的に評価されたSB、軽度PA(LPA)および中等度~高度PA(MVPA)との関連性を評価し、SBをPAに置き換える影響について検討を行った。BMJ Open誌2018年9月25日号の報告。 日本の一般集団より65~85歳の高齢者276例を対象とし、横断的分析を行った。SB(≦1.5 METs)、LPA(>1.5~<3.0METs)、MVPA(≧3.0METs)の1日当たりの平均時間を算出した。老年期うつ病評価尺度15項目日本版(GDS-15)を用いてうつ病の評価を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・単一活性モデルにおいて、SBの少なさ(β:0.129、95%CI:0.015~0.243)やLPAの多さ(β:-0.138、95%CI:-0.265~-0.011)は、GDS-15スコアと有意かつ負の相関を示した。 ・isotemporal substitutionモデルでは、1日30分だけSBからLPAに置き換えることにより、GDS-15スコアの有意かつ負の相関が認められた(β:-0.131、95%CI:-0.260~-0.002)。 著者らは「SBを少しでもLPAに置き換えることは、高齢者のうつ病改善に影響を及ぼすことが示唆された。1日当たり30分間のSBからLPAへの置き換えで、潜在的な好影響が観察される」としている。 ■関連記事 少し歩くだけでもうつ病は予防できる 高齢者うつ病患者への運動療法は有効 うつ病や身体活動と精液の質との関連 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Yasunaga A, et al. BMJ Open. 2018;8:e022282. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 高齢者のうつ病治療ガイドラインのポイント~日本うつ病学会 医療一般 日本発エビデンス(2022/04/13) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] GLP-1受容体作動薬、内視鏡検査の誤嚥リスクに影響するか/BMJ(2024/11/05) オピオイド使用障害、治療中止リスクが低い薬剤は?/JAMA(2024/11/05) 精神科病床数はどのくらい必要なのか〜メタ解析(2024/11/05) 胃がん1次治療のニボルマブ+化学療法、承認後のリアルワールドデータ/日本癌治療学会(2024/11/05) 実臨床のスタチン、ロスバスタチンvs.アトルバスタチン(2024/11/05) 脳卒中後の治療で最善の血栓溶解薬とは?(2024/11/05) 不十分な情報でも「自分は正しい」と思い込むのはなぜか(2024/11/05) 大量飲酒後には不整脈リスクが増加か(2024/11/05) [ あわせて読みたい ] エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17)