アルツハイマー病治療薬メマンチンの有効性と安全性 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/11/09 現在、アルツハイマー病に対する薬物治療には5つの選択肢が存在する。コリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンによる治療、メマンチン治療およびメマンチンとコリンエステラーゼ阻害薬の併用療法である。最良の治療方法の選択は、ランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタ解析によって得られたエビデンスに基づいている。藤田医科大学の松永 慎史氏らは、アルツハイマー病の薬物治療における安全性と有効性に関するメタ解析のエビデンスを用いて、これらの治療法のリスクとベネフィットの分析を行った。Expert Opinion on Drug Safety誌2018年10月号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・メマンチンは、単剤療法およびドネペジルとの併用療法において、認知機能および行動障害をプラセボよりも効果的に改善する。 ・メマンチン単剤療法および併用療法は、傾眠などのいくつかの有害事象と関連しているが、それは十分に許容されており、安全性(全原因による中止)はプラセボ(興奮)よりも優れている。 ・プールされたコリンエステラーゼ阻害薬は、認知機能の改善においてプラセボよりも優れているが、行動障害では認められず、中断率も高いことから忍容性が十分ではなかった。 ・ドネペジル(10mg/日)、経口リバスチグミン、ガランタミンの単剤療法は、胃腸障害を含むいくつかの有害事象リスクを伴う。 著者らは「メマンチンとドネペジルの併用療法が、アルツハイマー病の最も有効な治療方法であると考えられる」としている。 ■関連記事 日本人アルツハイマー病に対するメマンチンのメタ解析 ドネペジル+メマンチン、アルツハイマー病への効果はどの程度 中等度~高度AD患者にメマンチンは本当に有効か~メタ解析 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Matsunaga S, et al. Expert Opin Drug Saf. 2018;17:1053-1061. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 メマンチン補助療法の精神疾患に対する有効性をメタ解析 医療一般(2019/06/28) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] GLP-1受容体作動薬、内視鏡検査の誤嚥リスクに影響するか/BMJ(2024/11/05) オピオイド使用障害、治療中止リスクが低い薬剤は?/JAMA(2024/11/05) 精神科病床数はどのくらい必要なのか〜メタ解析(2024/11/05) 胃がん1次治療のニボルマブ+化学療法、承認後のリアルワールドデータ/日本癌治療学会(2024/11/05) 実臨床のスタチン、ロスバスタチンvs.アトルバスタチン(2024/11/05) 脳卒中後の治療で最善の血栓溶解薬とは?(2024/11/05) 不十分な情報でも「自分は正しい」と思い込むのはなぜか(2024/11/05) 大量飲酒後には不整脈リスクが増加か(2024/11/05) [ あわせて読みたい ] Dr.皿谷の肺音聴取道場(2020/05/10) 岡田正人のアレルギーLIVE(2020/04/10) 新型コロナ治療薬の有力候補、「siRNA」への期待(2020/03/26) 開発中の治療法最前線(2020/02/17) 希少疾病・難治性疾患特集 2020(2020/02/03) Dr.林の笑劇的救急問答15<上巻>(2020/01/15)