治療抵抗性強迫症に対するフルボキサミンとメチルフェニデート徐放剤の併用治療 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/02/11 治療抵抗性強迫症(OCD)に対する、より効果的かつ忍容性のある介入が求められている。中国・華南理工大学のHuirong Zheng氏らは、OCD治療においてメチルフェニデート(MPH)増強療法が有用である可能性を報告した。European Neuropsychopharmacology誌オンライン版2018年12月27日号の報告。 治療抵抗性OCDに対するMPH徐放剤(MPH-ER)増強療法の有効性と安全性を評価するため、単施設の外来患者におけるランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験のパイロット研究を実施した。対象は、フルボキサミン治療でYale-Brown強迫観念・強迫行為尺度(YBOCS)スコアが20超で安定している、SSRI治療抵抗性OCD成人患者44例。サンプルデータは、intention-to-treat分析を行った。対象患者は、MPH-ER群(フルボキサミン250mg/日+MPH-ER 36mg/日)またはプラセボ群(フルボキサミン250mg/日+プラセボ)にランダムに割り付けられ、8週間フォローアップされた。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者44例中、男性は29例(66%)。平均年齢は24.7歳(SD:6)、エピソードの平均期間は5.7(SD:3)であった。ランダム化後、41例が試験を完了した。 ・intention-to-treat分析では、MPH-ER群はプラセボ群と比較し、YBOCSの合計スコアおよび強迫サブスコアの顕著な改善が認められた(p<0.001)。 ・累積奏効率は、MPH-ER群においてプラセボ群よりも高かった(59% vs.5%、p<0.001)。 ・MPH-ER群の忍容性は良好であり、副作用による対象患者の脱落は認められなかった。 著者らは「治療抵抗性OCDに対するMPH-ER増強療法は、プラセボと比較し臨床的奏効率を向上させた。今後は、より多くのサンプルを用いた、さらなる研究が必要である」としている。 ■関連記事 SSRIで著効しない強迫性障害、次の一手は 強迫症治療に関する国際的な展望 強迫症状に注意が必要な第二世代抗精神病薬は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Zheng H, et al. Eur Neuropsychopharmacol. 2018 Dec 27. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 COVID-19の症状悪化をフルボキサミンが抑制する可能性/JAMA 医療一般(2021/01/01) 強迫症患者における統合失調症への診断変更の可能性 医療一般(2022/04/20) 日本人成人強迫症患者におけるADHD併発の影響 医療一般 日本発エビデンス(2023/08/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 分散型臨床試験の治療効果は、非分散型と異なるか/BMJ(2025/12/17) 血液凝固因子第XI因子を阻害すればよいというものではない?(解説:後藤信哉氏)(2025/12/17) 成人のRSウイルスワクチンに関する見解を発表/感染症学会、呼吸器学会、ワクチン学会(2025/12/17) ER+/HER2-進行・転移乳がん、ESR1変異検出時のcamizestrantへの切り替えでPFS延長(SERENA-6)/SABCS2025(2025/12/17) 統合失調症におけるブレクスピプラゾール切り替え、その有用性は?(2025/12/17) 認知症発症リスク、亜鉛欠乏で30%増(2025/12/17) 胃食道逆流症が耳疾患と関連か(2025/12/17) 健康診断から見える、糖尿病予測の未来(2025/12/17) [ あわせて読みたい ] 合格直結!テスレクDigest(2025/07/18) 第50回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2025/04/18) ASCO2025 まとめ(2025/06/02) かかりつけ医のためのがん患者フォローアップ(2025/06/13) 医療・介護施設従事者のための転倒・転落事故へのアプローチ ~転倒・転落事故のメカニズム、予防、事故後フォローのすべて~(2025/02/27) 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01)