不眠症に対する就寝時の音楽聴取に関するランダム化比較試験 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/02/15 音楽は、不眠症を軽減するための自助ツールとして、よく用いられる。デンマーク・オーフス大学のKira Vibe Jespersen氏らは、不眠症改善のための就寝前の音楽聴取の効果を評価するため、評価者盲検ランダム化対照研究を行った。Journal of Sleep Research誌オンライン版2019年1月24日号の報告。 不眠症患者57例を、音楽介入群19例、オーディオブック群19例、待機コントロール群19例にランダムに割り付けた。主要アウトカムは、不眠症重症度指数(Insomnia Severity Index)とした。さらに、睡眠ポリグラフィーおよびアクチグラフィーを用いて睡眠の客観的尺度を評価し、睡眠の質やQOLについても評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・主要アウトカムについては、音楽介入群において、不眠症の重症度に有意な改善が認められたが、群×時間の相互作用は有意性に近づくものの、不眠症状に対する明らかな影響は認められなかった(エフェクトサイズ:0.71、p=0.06)。 ・副次的アウトカムについては、音楽介入群において、認知された睡眠の改善やQOLに対する有意な効果は認められたものの、睡眠の客観的尺度に変化は認められなかった。 著者らは「就寝時の音楽聴取は、睡眠の実感やQOLに好影響をもたらすものの、不眠症の重症度に対する明らかな効果は認められなかった。さまざまな不眠症サブタイプに対する音楽聴取の補助的または予防的な効果を評価するためには、さらなる研究が必要である」としている。 ■関連記事 音楽療法が不眠症に有用 成人不眠症に対する音楽療法に関するメタ解析 不眠の薬物療法を減らすには (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Jespersen KV, et al. J Sleep Res. 2019 Jan 24. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 不眠症の第一選択薬~日本の専門家コンセンサス 医療一般 日本発エビデンス(2023/06/20) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 統合失調症に対するアリピプラゾール併用による糖脂質代謝への影響〜メタ解析(2025/02/24) イサツキシマブ、未治療の多発性骨髄腫に適応追加/サノフィ(2025/02/24) フロスの使用に脳梗塞の予防効果?(2025/02/24) 重度の感染症による入院歴は心不全リスクを高める(2025/02/24) 冷水浸漬はある程度の効果をもたらす可能性あり(2025/02/24) アスピリンはPI3K経路に変異のある大腸がんの再発リスクを低下させる/ASCO-GI(2025/02/24) 日本人の食事関連温室効果ガス排出量と死亡リスクにU字型の関連(2025/02/24) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24)