ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用、腎細胞がんで継続的な生存ベネフィット示す(CheckMate-214)/BMS 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/02/22 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2019年2月14日、第III相CheckMate-214試験の最新の結果を発表した。同データでは、未治療の進行または転移のある腎細胞がん(RCC)患者において、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)と低用量イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法が、引き続き長期生存ベネフィットを示した。 CheckMate-214試験は、未治療の進行または転移のあるRCC患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法をスニチニブと比較評価した無作為化非盲検試験。併用療法群の患者は、ニボルマブ3mg/kgおよびイピリムマブ1mg/kgを3週間間隔で計4回投与され、その後ニボルマブ3mg/kgを2週間間隔で投与された。対照群の患者は、スニチニブ50mg/日を4週間投与後2週間休薬を病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで継続した。試験の主要評価項目は、中~高リスク患者における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、および奏効率(ORR)。 最短30ヵ月の追跡調査において、ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群に無作為に割り付けられた中~高リスクの患者は、スニチニブ群と比較して、引き続き有意なOSの延長を示した。また、30ヵ月時点で、ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法を受けた中~高リスクの患者における治験担当医によるORRは、最短17.5ヵ月時点での前回の解析結果と比較して、改善が示された。 ・OS:中~高リスクの患者の30ヵ月生存率は、ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で60%、スニチニブ群では47%であった(HR:0.66、95%CI:0.54~0.80、p<0.0001)。 ・ORR:ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で42%、スニチニブ群で29%であった(p=0.0001)。 ・完全奏効(CR)率:ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で11%、スニチニブ群で1%であった。 ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法を受けたIntention-To-Treat(ITT、すべて無作為化)集団においても同様の結果が示され、有意な改善が認められた。 ・OS:ITT集団の30ヵ月生存率は、ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で64%、スニチニブ群では56%であった(HR:0.71、95%CI:0.59~0.86、p=0.0003)。 ・ORR:ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で41%、スニチニブ群で34%であった(p=0.015)。 ・CR率:ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で11%、スニチニブ群で2%であった。 併用療法の全体的な安全性は、最短17.5ヵ月の追跡調査の解析結果および両剤のRCC患者におけるこれまでに報告された試験と一貫しており、長期の追跡調査でも新たな安全性シグナルや薬剤に関連する死亡例は発生しなかった。 データは、2019年米国臨床腫瘍学会、泌尿器がんシンポジウムにおいて発表されている。 ■関連記事 進行性腎細胞がんの1次治療、ニボルマブとイピリムマブ併用が有効/NEJM (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] 膀胱がん、BCG投与後のPD-L1発現誘導【Oncologyインタビュー】第2回 (2019/02/18) 高齢者HER2陽性乳がんに、安全かつ有効な化学療法を…JCOG1607(HERB TEA)【Oncologyインタビュー】第1回(2019/02/15) 高齢者に対するICIは効きが悪い?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第4回(2019/01/17) オシメルチニブの耐性機序【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第3回(2018/12/14) 免疫チェックポイント阻害薬の再投与は有効か?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第1回(2018/11/02) 消化器がん特集(2018/06/21) 肺がん治療、患者と医療者の“スキマ”とは? 第15回【肺がんインタビュー】(2018/05/09) 肺がん特集まとめインデックス(2017/06/20) 肺がん特集(2017/06/20) 化療スタンダードレジメン(2014/01/07)