日本において将来の認知症ケアに対し不安を感じている人の特徴 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/04/10 認知症にやさしい地域社会を目指すことは、世界的な目標ではある。しかし、認知症の地域住民は、いまだ対処されていない認知症関連ケアのニーズを抱えている。東京都健康長寿医療センター研究所の岡村 毅氏らは、将来必要となった際に適切な認知症ケアを受けられない可能性について不安を感じている人の特徴を調査した。Psychogeriatrics誌オンライン版2019年3月18日号の報告。 東京都の1地域に在住する65歳以上のすべての住民13万2,005人に対し、郵送によるアンケート調査を実施した。アンケートは、適切な認知症ケアを受けられない可能性についての不安を測定する項目ならびに、社会人口統計、抑うつ症状、フレイル、在宅状況、社会経済的状況、社会的サポート、開業医(GP)へのアクセス、認知症ケアの経験に関する項目を含んだ。 主な結果は以下のとおり。 ・不安を測定する項目に回答した7万4,171人中、将来必要となった際、適切な認知症ケアを受けられない可能性について不安を感じている人は、5万8,481人(78.8%)であった。 ・強制投入法(simultaneous)多重ロジスティック回帰分析では、不安との関連が予想される要因は以下のとおりであった。 ●うつ症状 ●フレイルまたはその予備群 ●女性 ●現在、社会経済的に不利な状況ではない ●気分がすぐれないときに、病院へ連れていける人がいない ●より若い(65~74歳) ●既婚 ●隣人を信頼していない ●高等教育レベル(9年超) ●困っているときに相談できる人がいない ●働いていない ●小児期に社会経済的に不利な状況を経験 ●隣人とは、あいさつを交わす程度の関係 ●認知症ケアの経験がない ・GPへのアクセス、独居、外出が1回/週以下では、関連性は認められなかった。 著者らは「これらの不安を軽減するための介入に関して、さらなる研究が必要とされる」としている。 ■関連記事 世界で最も高齢化している日本における認知症の推定コスト たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能 レビー小体型認知症とアルツハイマー病における生存率の違い~メタ解析 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Okamura T, et al. Psychogeriatrics. 2019 Mar 18. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21) [ あわせて読みたい ] 追憶の研修医時代が手の中でよみがえる本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第15回(2019/03/19) Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15) 今こそ風邪診療を見直す時【Dr.倉原の“俺の本棚”】第14回(2019/02/12) Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編 (2019/01/15) 全医師必携【Dr.倉原の“俺の本棚”】第13回(2019/01/11) 【GET!ザ・トレンド】脳神経細胞再生を現実にする(5)(2019/01/08) Dr.須藤のやり直し酸塩基平衡 (2018/12/15) 僧侶の医師【Dr.倉原の“俺の本棚”】第12回(2018/12/11)