レビー小体病とアルツハイマー病の生存率の違い

アルツハイマー病(AD)とレビー小体病(LBD)は、2種類の代表的な認知症である。LBD患者の臨床経過がAD患者よりも不良であるかどうかについては、よくわかっていない。中国・香港大学のYat-Fung Shea氏らは、中国人LBD患者とAD患者の生存率や合併症発症について、レトロスペクティブレビューを行った。Singapore Medical Journal誌オンライン版2019年9月6日号の報告。
2008~16年にクイーン・メアリー病院のメモリークリニックに来院したADおよびLBD患者を対象に、すべてのバイオマーカーをレトロスペクティブにレビューした。ADおよびLBD診断は、臨床診断基準およびバイオマーカーによりサポートした。LBDには、レビー小体型認知症(DLB)およびパーキンソン病認知症(PDD)を含めた。ベースライン時の人口統計、臨床的特徴、認知機能障害の重症度、特定の臨床結果を収集した。
主な結果は以下のとおり。
・対象は、AD患者31例、LBD患者25例(DLB:18例、PDD:7例)であった。
・疾患発症時より測定した場合、LBD患者は、AD患者と比較し、全生存期間が短い(p=0.02)、転倒の早期発生(p<0.001)、嚥下困難(p<0.001)、肺炎(p=0.01)、褥瘡(p=0.003)、施設入所(p=0.03)といった特徴が認められた。
・Cox回帰分析では、LBDは転倒(ハザード比[HR]:5.86、95%信頼区間[CI]:2.29~15.01、p<0.001)、嚥下困難(HR:10.06、95%CI:2.5~40.44、p=0.001)、褥瘡(HR:17.39、95%CI:1.51~200.1、p=0.02)、施設入所(HR:2.72、95%CI:1.12~6.60、p=0.03)、死亡(HR:2.96、95%CI:1.18~7.42、p=0.02)の予測因子であることが示唆された。
著者らは「LBD患者は、AD患者と比較し、生存期間が短く、事前に指定したいくつかの長期イベントが早期に発生していた。また、LBDは、これら長期イベントの独立した予測因子であることが示唆された」としている。
(鷹野 敦夫)
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