米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのGerald A. Soff氏らは、化学療法誘発性血小板減少症を伴う固形がん患者を対象に、ロミプロスチム投与群と経過観察群を比較する無作為化第II相臨床試験を行い、ロミプロスチムは化学療法誘発性血小板減少症の改善に有効であることを明らかにした。化学療法誘発性血小板減少症は、がん治療の遅延または縮小につながるが、これまでに承認された治療法はない。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年9月23日号掲載の報告。
研究グループは、化学療法を遅延または減量しても血小板数が4週間以上10万/μL未満の患者23例を、ロミプロスチム群(目標血小板数10万/μL以上とし、毎週用量を漸増)または対照群(通常ケアでモニタリング)に無作為に割り付けた。その後、37例をロミプロスチム単独群として治療した。
主要評価項目は3週間以内の血小板数の改善、副次評価項目は化学療法誘発性血小板減少症の再発を伴わない化学療法の再開とした。
主な結果は以下のとおり。
・登録時の平均血小板数は6万2,000/μLであった。
・無作為化試験期において、ロミプロスチム群では15例中14例(93%)が3週間以内に血小板数の改善を認めたのに対し、対照群では8例中1例(12.5%)であった(p<0.001)。
・ロミプロスチムで治療されたすべての患者(52例)は、治療2週時で平均血小板数が14万1,000/μLであった。
・対照群8例では、治療3週時で平均血小板数が5万7,000/μLであった。
・ロミプロスチムにより血小板数が改善した44例は、ロミプロスチム毎週投与の併用により化学療法を再開した。
・化学療法誘発性血小板減少症のため、再び化学療法の遅延または減量に至った患者は3例(6.8%)であった。
(ケアネット)