局所進行胃がんに対する周術期(術前および術後)のオキサリプラチンとS-1の併用療法の有効性を検討した試験(RESOLVE試験)の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で発表された。中国・北京大学のJiafu Ji氏による発表。
RESOLVE試験は、術前および術後化学療法としてのSOX(S-1+オキサリプラチン)の有効性ならびに安全性を術後SOXおよび術後XELOX(カペシタビン+オキサリプラチン)と比較した第III相試験である。対象者は胃切除リンパ節郭清(D2)を受けたcT4a/N+M0またはcT4bNxM0の胃がん患者1,094例で、以下の3群に割り付けられた。
・試験群:
Arm A:D2郭清術後XELOX治療群(345例)
Arm B:D2郭清術後SOX治療群(340例)
Arm C:D2郭清術前・術後SOX治療群(337例)
・評価項目:
[主要評価項目]3年無病生存率(DFS)
[副次評価項目]5年生存率(OS)、安全性
本試験ではArm CのArm Aに対する優越性、ならびにArm BのArm Aに対する非劣性が検証された。
主な結果は以下のとおり。
・<Arm A vs. Arm C> 周術期SOX群(Arm C)は、術後XELOX群(Arm A)に比較して有意に3年DFSを延長した(Arm C:62.0%、Arm A:54.8%、ハザード比[HR]:0.79、95%信頼区間[CI]:0.62~0.99、p=0.045)。
・<Arm A vs. Arm B> 術後SOX群(Arm B)の術後XELOX群(Arm A)に対する3年DFSの非劣性が証明された(Arm B:60.3%、Arm A:54.8%、ハザード比[HR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.67~1.07、p=0.162)。
・周術期、術後SOX群のどちらにおいても、術後XELOXと比較して治療関連有害事象の増加は見られなかった。
(ケアネット 細川 千鶴)