再発/難治性のB細胞リンパ腫、ペムブロリズマブの奏効率45%以上

提供元:ケアネット

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公開日:2019/12/13

 

 米国・ダナ・ファーバーがん研究所のPhilippe Armand氏らは、再発または難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(rrPMBCL)について、予後不良であり、その治療は喫緊のアンメットニーズとなっているが、PMBCLは9p24領域の遺伝子異常およびPD-L1の過剰発現と関連していることから、PD-1阻害薬が効果を発揮する可能性があると仮定した。第Ib相「KEYNOTE-013試験」および第II相「KEYNOTE-170試験」の結果、ペムブロリズマブはrrPMBCLに対し高い奏効率と奏効の持続を発揮し、安全性プロファイルは管理可能であることを明らかにした。Journal of Clinical Oncology誌2019年12月1日号掲載の報告。

 研究グループは、第Ib相KEYNOTE-013試験(NCT01953692)および第II相KEYNOTE-170試験(NCT02576990)において、rrPMBCL成人患者にペムブロリズマブを疾患進行または許容できない毒性発現まで、あるいは最長2年間投与した。
 主要評価項目は、KEYNOTE-013試験が安全性および奏効率(ORR)、KEYNOTE-170試験がORR。副次評価項目は奏効期間、無増悪生存(PFS)期間、全生存(OR)期間および安全性、探索的評価項目がバイオマーカーとペムブロリズマブ活性との関連であった。

 主な結果は以下のとおり。

・ORRは、KEYNOTE-013試験の21例において48%(完全奏効[CR]:7例、33%)、KEYNOTE-170試験の53例において45%(7例、13%)であった。
・追跡期間中央値はKEYNOTE-013試験が29.1ヵ月、KEYNOTE-170試験が12.5ヵ月で、いずれも奏効期間は中央値に到達しなかった。
・CRが得られた患者に増悪例はなく、うち2例はCR後1年以上治療を行わなかった。
・治療関連有害事象の発現率はKEYNOTE-013試験群が24%、KEYNOTE-170試験が23%で、治療に関連した死亡はみられなかった。
・評価が可能であった42例において、9p24遺伝子異常はPD-L1発現と関連しており、さらにPFSと有意に関連していた。

(ケアネット)