高齢者の進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1stライン化学療法の中で、ドセタキセル単剤(DOC)は標準療法の1つである。一方、非高齢者の非扁平上皮NSCLCの1次治療としてはカルボプラチン+ペメトレキセドからペメトレキセドの維持療法(CBDCA/PEM)が、広く使われている。そのような中、進行非扁平上皮NSCLCの高齢患者に関して、CBDCA/PEM療法のドセタキセル単剤療法との非劣性を評価する多施設オープンラベル第III相試験が実施された。JAMA Oncology誌2020年3月12日オンライン版掲載の報告。
・対象:化学療法未治療の75歳以上のStageIII/IVまたは再発非扁平上皮NSCLC
・試験薬:カルボプラチン(AUC5)+ペメトレキセド(500mg/m2)3週ごと4サイクル→ペメトレキセド(500mg/m2)3週ごと病勢悪化まで(CBDCA/PEM群)
・対照薬:ドセタキセル60mg/m2 3週ごと病勢悪化まで(ドセタキセル群)
・評価項目:
[主要評価項目]全生存期間(OS)
[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効割合(ORR)、症状スコア、有害事象など
CBDCA/PEM群の非劣性マージンは、OSハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)の上限1.154に設定された。
主な結果は以下のとおり。
・登録された433例の年齢中央値は78歳であった。
・OS中央値は、ドセタキセル群(217例)15.5ヵ月、CBDCA/PEM群(216例)18.7ヵ月であった(HR:0.850、95%CI:0.684~1.056、非劣性p= 0.003)。
・PFSもCBDCA/PEM群で長かった(HR:0.739、95%CI:0.609~0.896)。
・Grade3/4の白血球減少および好中球減少症の発現率、発熱性好中球減症の発現率はCBDCA/PEM群で低かった(それぞれ28.0%対68.7%、46.3%対86.0%、4.2%対17.8%)
・一方、Grade3/4の血小板減少症および貧血の発現率はCBDCA/PEM群で高かった(それぞれ25.7%対1.4%、29.4%対1.9%)
・減量の頻度はCBDCA/PEMで少なかった。
カルボプラチン・ペメトレキセド併用とペメトレキセドの維持療法は、高齢の非扁平上皮NSCLCの1次治療においてドセタキセルとの非劣性が証明された。著者らは、同レジメンはこれらの患者集団への有効な選択肢であるとしている。
(ケアネット 細田 雅之)