中国・広州医科大学のWei-Jie Guan氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の併存疾患を層別化し、重篤な有害転帰リスクを評価した。その結果、併存疾患のない患者よりも併存疾患を有する患者で転帰が不良になることを示唆した。また、併存疾患数の多さが転帰不良と相関していたことも明らかにした。The European respiratory journal誌オンライン版3月26日号掲載の報告。
研究者らは2019年12月11日~2020年1月31日の期間、中国本土の31省・市・区の病院、575施設に入院した患者1,590例のデータを分析。複合エンドポイントはICUへの入室、侵襲的換気、死亡で、その到達リスクとして併存疾患の有無と数を比較した。
主な結果は以下のとおり。
・患者の平均年齢は48.9歳、686例は女性だった。
・全症例の中で重症例は16.0%だった。
・全症例の中で8.2%(131例)が複合エンドポイントに到達した。
・25.1%(399例)には少なくとも1つの疾患があった。
・併存疾患の内訳は高血圧症が最も多く(16.9%)、次いで糖尿病(8.2%)だった。
・8.2%(130例)は疾患を2つ以上有していた。
・年齢と喫煙歴の調整後では、COPD (ハザード比[HR]:2.681、95%信頼区間[95%CI]:1.424~5.048)、糖尿病(HR:1.59 、95%CI:1.03~2.45)、高血圧症(HR:1.58、95%CI:1.07~2.32)、悪性腫瘍(HR:3.50、95%CI:1.60~7.64)が、複合エンドポイント到達のリスク因子だった。併存疾患数でみると、疾患1つの場合はHR:1.79(95%CI:1.16~2.77)、2つ以上では2.59(95%CI 1.61~4.17)だった。
(ケアネット 土井 舞子)