COVID-19重症患者に特徴的なCT所見と症状

提供元:ケアネット

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公開日:2020/03/10

 

 中国・重慶医科大学附属第二医院のKunhua Li氏らの調査により、重症または重体のCOVID-19肺炎では、臨床症状、臨床検査値、CT重症度スコアに有意な差があることがわかった。多くの因子が疾患の重症度に関連しており、重症度の判断と予後の評価に役立つとしている。Investigative Radiology誌オンライン版2020年2月29日号に掲載。

 著者らは、COVID-19肺炎患者83例(重症または重体が25例、それ以外が58例)について、胸部CT画像所見と臨床データを比較し、重症度に関連する危険因子を検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・重症または重体例はそれ以外の患者に比べて、高齢で併存疾患がある人が多く、咳嗽・喀痰・胸痛・呼吸困難の発現率が高かった。
・重症または重体例はそれ以外の患者に比べて、浸潤影、線状影、crazy-paving pattern(メロン皮状の網目陰影)、気管支壁肥厚の発現率が有意に高かった。また、リンパ節腫大、心膜液貯留、胸水貯留の発現率が高かった。
・重症または重体例のCT重症度スコアは、それ以外の患者よりも有意に高かった(p<0.001)。
・ROC曲線から、2タイプの識別におけるCT重症度スコアの感度は80.0%、特異度は82.8%であった。
・重症または重体のCOVID-19肺炎の危険因子は、50歳以上、併存疾患、呼吸困難、胸痛、咳嗽、喀痰、リンパ球減少、炎症マーカー上昇であった。
・重症または重体のCOVID-19肺炎におけるCT所見の特徴は、線状影、crazy-paving pattern、気管支壁肥厚、高いCT重症度スコア、肺外病変であった。

(ケアネット 金沢 浩子)