血漿TMBはペムブロリズマブの肺がん治療の効果予測因子となるか/Clin Cancer Res

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2020/04/10

 

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペムブロリズマブの標準1次治療としての効果の予測に、血漿中の腫瘍遺伝子変異量(pTMB)が有用である可能性が示された。米国・ペンシルベニア大学のCharu Aggarwal氏らによる、転移のあるNSCLC患者を対象としたパイロット試験の結果、pTMB値≧16mut/Mbと無増悪生存(PFS)期間改善の関連が示されたという。また、そのような高pTMB患者のうち、持続的臨床効果(DCB)が期待できない患者の特定に、STK11KEAP1PTENおよびERBB2変異の情報が役立つ可能性も示された。著者は「今回の結果は、大規模な前向き研究で検証する必要がある」とまとめている。Clinical Cancer Research誌オンライン版2020年2月26日号掲載の報告。

 研究グループは、ペムブロリズマブ単剤または化学療法併用による1次治療を開始する進行NSCLC患者66例を対象に、500遺伝子次世代シークエンシング(NGS)パネルを用いてpTMB値を測定するとともに、RECIST 1.1により有効性を評価し、患者背景、6ヵ月DCB、PFSおよび全生存(OS)との関連を解析した。

 主な結果は以下のとおり。

・66例中、pTMB値を評価できた患者は52例(78.8%)であった。
・pTMB値中央値は、16.8mut/Mb(範囲:1.9~52.5)であった。
・DCBが得られた患者群のpTMB値中央値は、DCBが得られなかった患者群よりも有意に高かった(21.3mut/Mb vs.12.4mut/Mb、p=0.003)。
・PFS中央値は、pTMB値≧16mut/Mbの患者群で14.1ヵ月、pTMB値<16mut/Mbの患者群で4.7ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.30、95%信頼区間[CI]:0.16~0.60、p<0.001)。
・OSは、pTMB値≧16mut/Mbの患者群では中央値未到達、pTMB値<16mut/Mbの患者群では中央値8.8ヵ月であった(HR:0.48、95%CI:0.22~1.03、p=0.061)。
ERBB2exon 20、STK11KEAP1またはPTENの変異は、DCBが得られなかった患者に多く認められた。
・pTMB値≧16mut/Mbおよび負の予測因子となる遺伝子変異がないことが、PFS(HR:0.24、95%CI:0.11~0.49、p<0.001)およびOS(HR:0.31、95%CI:0.13~0.74、p=0.009)と関連していた。

(ケアネット)