2020年4月8日、中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:小坂達朗氏)は、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体(一般名:トシリズマブ、商品名:アクテムラ)での、日本国内における重症新型コロナウイルス肺炎(COVID-19肺炎)を対象とした国内第III相臨床試験の実施について発表した。
アクテムラは炎症性サイトカインの一種であるIL-6の作用を阻害
アクテムラの第III相試験については、海外では、米国、カナダおよび欧州を含む世界における重症COVID-19肺炎の入院患者約330例を対象として、プラセボと標準的な医療措置の併用と比較する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験(COVACTA試験)の実施をロシュ社が発表している。
アクテムラは炎症性サイトカインの一種であるIL-6の作用を阻害する働きを持つ、中外製薬が創製した国産初の抗体医薬品。国内において、点滴静注製剤は6つの適応症(キャッスルマン病、関節リウマチ、全身型若年性特発性関節炎[sJIA]、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎[pJIA]、腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群、成人スチル病)で、皮下注製剤では3つの適応症(関節リウマチ、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎)で承認を取得している。
(ケアネット 土井 舞子)