新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大に伴い、PCR検査の実施数を増やすべきとの声も高まっている。診療現場におけるCOVID-19疑い例数、PCR検査の照会数、PCR検査実施数、PCR陽性数はどのように推移しているのか。
ケアネットでは、2020年4月9日より週次で、病床を有していない診療所で働く会員医師を対象に「直近1週間のCOVID-19疑い例の診療状況」についてアンケートを行っている(現在2回目を終了)。
調査対象とした地域は関東(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、名古屋(愛知県)、関西(京都府、大阪府、兵庫県)、福岡(福岡県)の4エリア。
1回目(4月9~15日に調査)は892名、2回目(4月16~22日に調査)は876名から回答を得た。
主な結果は以下のとおり(第2回時点)。
・「COVID-19を疑った患者」がいなかった診療所が全体の4割近くを占めた一方で、1~3人との回答も約4割。少数ながら20人超という回答もみられた。
・前週をと比較すると、関東エリア以外では「疑い」患者数が増加の傾向(名古屋:平均2.5→3.2人、関西:平均2.2→2.6人、福岡:平均2.1→2.9人)。関東エリアでは平均2.8人と横ばいであった。
・疑い患者のうち「PCR検査の照会をした患者」の割合は、全体平均で28.5%だったが、名古屋エリアが38.6%と高く、関西エリアが22.9%と低かった。
・PCR検査照会患者のうち実際に「PCR検査を実施した患者」の割合は、全体平均で46.9%とほぼ半数となったが、ここでも名古屋エリアの52.7%から関西エリアの36.3%までバラツキが見られた。
自由記述欄には、
「マスク、フェイスシールド、個人防護服が圧倒的に足りておらず、受け入れを躊躇する」
「診療所での対応は、感染リスクや風評被害を考えると現実的には不可能に近い」
「保健所に照会しても検査をしてもらえない。ドライブスルー検査など、間口を広げて欲しい」
「院内トリアージのため定期受診患者へ待ち時間などの迷惑をかけている。病院外で検査できる場所をつくって欲しい」
などの声が寄せられた。
アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。
COVID-19疑い例の診療状況とPCR検査の実施率の推移-会員医師アンケート
(ケアネット 杉崎 真名)