胆管がんの発生に線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)の関与が示唆されているが、FGFR1、2、および3に対する選択的阻害薬pemigatinibが有望であることが示された。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのGhassan K. Abou-Alfa氏らが、既治療の局所進行または転移のある胆管がん患者におけるpemigatinibの安全性と抗腫瘍活性を評価する、非盲検単群複数コホートの多施設共同第II相試験「FIGHT-202試験」を実施。pemigatinibは、FGFR2遺伝子融合/再構成陽性胆管がん患者に対する効果的な治療薬となる可能性が示されたという。Lancet Oncology誌オンライン版2020年3月20日号掲載の報告。
試験は、米国、欧州、中東およびアジアの146施設において、18歳以上で1レジメン以上の前治療後に病勢進行が認められたECOG PS 0~2の進行および転移のある胆管がん患者を対象に行われた。FGFR2遺伝子融合/再構成陽性コホート、他のFGF/FGFR遺伝子変異陽性コホートおよび同変異陰性コホートに分類し、登録されたすべての患者に対して、pemigatinibの2週間投与1週間休薬(21日サイクル)による治療を、病勢進行または許容できない毒性が発現する同変異陽性コホートにおける全奏効率(ORR)であった。
主な結果は以下のとおり。
・2017年1月17日~2019年3月22日に、146例が登録された(FGFR2遺伝子融合/再構成陽性コホート107例、他のFGF/FGFR遺伝子変異陽性コホート20例、FGF/FGFR遺伝子変異陰性コホート18例、FGF/FGFR遺伝子変異未確定1例)。
・追跡期間中央値17.8ヵ月において、FGFR2遺伝子融合/再構成陽性コホートでは38例(35.5%)がORRを達成した(CR 3例、PR 35例)。
・最も頻度の高い有害事象は、高リン酸血症であった(146例中88例[60%])。
・Grade3以上の有害事象は93例(64%)に認められ、主なものは低リン酸血症(18例[12%])、関節痛(9例[6%])、口内炎(8例[5%])、低ナトリウム血症(8例[5%])、腹痛(7例[5%])および疲労(7例[5%])であった。
・試験期間中の死亡は71例(49%)であったが、ほとんど(61例[42%])は病勢進行によるものであり、治療に関連した死亡例は確認されなかった。
(ケアネット)