ドセタキセルとペムブロリズマブを既治療のPD-L1陽性進行生存非小細胞肺がん(NSCLC)と比較したKEYNOTE-010試験において、ペムブロリズマブはTPS≧50%と≧1%で全生存率(OS)を改善した。ペムブロリズマブ35サイクル/2年後あるいはペムブロリズマブ再治療を含めた、KEYNOTE-010長期結果が報告された。
KEYNOTE-010試験では、1,033例の対象患者が、ペンブロリズマブ群690例(2mg/kg 344例、10mg/kg 346例)とドセタキセル群343例に無作為に割り付けられた。また、35サイクル/2年後にPDとなった場合も、適格患者において、最大17サイクルのペムブロリズマブによる再治療が許容された。
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中央値42.6ヵ月後においても、ペムブロリズマブはOSを改善し続けた([TPS≧50%]HR:0.53、95%CI:0.42〜0.66、p<0.00001、[TPS≧1%]HR:0.69、95% CI:0.60〜0.80、p<0.00001)。
・36ヵ月OSは、TPS≧50%では34.5%対12.7%、TPS≧1%では22.9%対11.0%であった。
・Grade3〜5の治療関連有害事象発現は、ペムブロリズマブ群16%、ドセタキセル群37%であった。
・ペムブロリズマブ群690例中79例が35サイクル/ 2年の治療を完遂した。
・上記79例の客観的奏効率は95%(75/79例)で、48例(64%)は効果が持続していた。
・上記79例中14例がペムブロリズマブの再治療を受け、5例が17サイクルを完遂。再治療におけるPR6例(43%)、SD5例(36%)であった。
ペムブロリズマブは、優れた安全性、忍容性と共に長期のOS改善と持続的効果、また、再治療における疾患制御を示した。著者らは、既治療のPD-L1発現NSCLCに対するペムブロリズマブをさらに支持するものだとしている。
(ケアネット 細田 雅之)