日本人小中学生のインターネット利用とうつ病や健康関連QOLとの関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/10/19 病的なインターネット使用は、主に中学生を対象に研究されており、小学生を対象としたデータはほとんどない。弘前大学の高橋 芳雄氏らは、小中学生における、問題のあるインターネット使用状況(病的および不適切なインターネット使用を含む)とメンタルヘルスや健康関連QOLとの関連について調査を行った。Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology誌オンライン版2018年9月25日号の報告。 対象は、日本の中規模都市にある公立の小学校・中学校に通う、小学生3,845人および中学生4,364人。問題のあるインターネット使用の評価には、Young's Diagnostic Questionnaireスコアを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・病的なインターネット使用は、小学生で3.6%、中学生で7.1%であった。不適切なインターネット使用は、小学生で9.4%、中学生で15.8%であった。 ・問題のあるインターネット使用は、小学4年生~中学2年生で一貫して増加した。 ・また、中学1、2年生で、問題のあるインターネット使用が急激に増加した。 ・問題のあるインターネット使用児は、適切なインターネット使用児よりも、重度のうつ病や健康関連QOL低下を来すことが明らかとなった。 著者らは「病的なインターネット使用は、小学生でさえ珍しいものではなく、病的および不適切なインターネット使用は、重度のメンタルヘルスの問題や健康関連QOL低下を引き起こす。問題のあるインターネット使用およびそれに関連するリスク因子に対する教育的な予防介入を、これからの子供たちに提供することが重要である」としている。 ■関連記事 スマホ依存症になりやすい性格タイプ 青年期からの適切な対策で精神疾患の発症予防は可能か 若者の新型うつ病へのアプローチとなりうるか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Takahashi M, et al. Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol. 2018 Sep 25. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25) ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~(2014/05/15) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)