13価肺炎球菌ワクチン、接種対象者を拡大/ファイザー

提供元:ケアネット

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公開日:2020/06/08

 

 ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区)は2020年5月29日、プレベナー13(R)水性懸濁注(一般名:沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)の新たな適応として、肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者に対する「肺炎球菌(血清型:1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F および23F)による感染症の予防」の製造販売承認事項一部変更承認を取得した。今回の適応追加により、小児並びに高齢者に限らず、肺炎球菌(血清型:同)による疾患に罹患するリスクが高い方にも接種が可能となる。

 肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者は、以下のような状態の者を指す。

●慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患又は腎疾患
●糖尿病
●基礎疾患若しくは治療により免疫不全状態である又はその状態が疑われる者
●先天的又は後天的無脾症(無脾症候群、脾臓摘出術を受けた者)
●鎌状赤血球症又はその他の異常ヘモグロビン症
●人工内耳の装用、慢性髄液漏等の解剖学的要因により生体防御機能が低下した者
●上記以外で医師が本剤の接種を必要と認めた者

 本剤は、生後2ヵ月齢から6歳未満の小児、65歳以上の高齢者に対する肺炎球菌(血清型:同上)による侵襲性感染症を予防するワクチンとして、定期接種の対象である。なお、2019年1月現在、本剤は米国や欧州をはじめとする80ヵ国以上で生後6週から18歳未満の青年並びに全年齢の成人に対する接種が既に承認されているが、日本では6~65歳未満に対する接種への適応がなかった。2017年5月に厚生労働省へ要望書「沈降13価肺炎球菌結合型ワクチンの接種対象者拡大に関する要望」が提出され、2018年に国内第III相試験の実施を経て、今回の承認に至った。

(ケアネット 土井 舞子)