ラコサミドに点滴静注100mgが登場/ユーシービージャパン

提供元:ケアネット

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公開日:2020/06/23

 

 ユーシービージャパン株式会社は、6月11日に抗てんかん剤ラコサミド(商品名:ビムパット点滴静注100mg)を新発売した。

 てんかんは、全世界で約6,500万人、わが国には約100万人の患者数が推定され、毎年57,000人が新たにてんかんを発症している。患者の大部分が長期的な薬物療法を必要とするが、既存の抗てんかん薬を使用しても、30%を超える患者がてんかん発作を十分にコントロールできていないとの報告もあり、てんかん治療ではアンメット・ニーズが高い。

 今回発売されたラコサミドは、電位依存性ナトリウムチャネルの緩徐な不活性化を選択的に促進することにより、神経細胞の過剰な興奮を低下させる薬剤1)。2016年7月に成人の「てんかん患者の部分発作に対する併用療法」で製造販売承認を取得後、成人の「てんかん患者の部分発作に対する単剤療法」(2017年8月)、4歳以上の小児てんかん患者の部分発作に対する併用療法及び単剤療法に係る新用量(2019年1月)、ドライシロップと点滴静注(2019年1月)とそれぞれ追加承認されている。

 ビムパット点滴静注100mgは、一時的に経口投与ができない患者への部分発作(二次性全般化発作を含む)の治療に対し承認されている先行の「同点滴静注200mg」の充填量を半量とした製剤。1回の投与で使い切ることができ、同社では「錠剤とドライシロップ10%、点滴静注200mgに加え、点滴静注100mgを追加することで、患者や医療関係者に一層貢献できる」と期待を寄せている。

ビムパットの概要
商品名:ビムパット点滴静注100mg
一般名:ラコサミド
効能または効果:一時的に経口投与ができない患者における、下記の治療に対するラコサミド経口製剤の代替療法
てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)
用法
・ラコサミドの経口投与から本剤に切り替える場合:
通常、ラコサミド経口投与と同じ1日用量および投与回数にて、1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。
・ラコサミドの経口投与に先立ち本剤を投与する場合:
成人:通常、ラコサミドとして1日100mgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけて増量し、維持用量を1日200mgとするが、いずれも1日2回に分け、1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。
小児:通常、4歳以上の小児にはラコサミドとして1日2mg/kgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけて1日用量として2mg/kgずつ増量し、維持用量を体重30kg未満の小児には1日6mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児には1日4mg/kgとする。いずれも1日2回に分け、1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ用法・用量を用いる。
いずれの場合においても、症状により適宜増減できるが、1日最高投与量および増量方法は以下のとおりとする。
成人:1日最高投与量は400mgを超えないこととし、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として100mg以下ずつ行う。
小児:4歳以上の小児のうち体重30kg未満の小児では1日12mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児では1日8mg/㎏を超えないこととし、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として2mg/kg以下ずつ行う。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ1日最高投与量および増量方法とする。
製造販売承認日:2020年1月27日
薬価基準収載日:2020年5月27日
薬価:ビムパット点滴静注100mg 1瓶2,459円
発売日:2020年6月11日
製造販売元:ユーシービージャパン株式会社
販売元:第一三共株式会社

(ケアネット 稲川 進)

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