焦点性てんかん重積状態に対する薬理学的治療のレビュー

提供元:ケアネット

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公開日:2019/05/30

 

 てんかん重積状態(SE)は、罹患率や死亡率が高く、神経学的に急を要する。SEのタイプは、予後因子の1つであるといわれている。スペイン・Hospital Universitario Severo OchoaのN. Huertas Gonzalez氏らは、SE治療に関連するさまざまな学会や専門家グループの最新レコメンデーションおよび最新研究を分析し、焦点性SEのマネジメントに関する文献を評価した。Neurologia誌オンライン版2019年5月7日号の報告。

 2008年8月~2018年8月に公表された成人の焦点性SEおよび他のタイプの薬理学的治療に関する研究をPubMedより検索した。

 主な結果は以下のとおり。

・SEの治療に関連するレビュー、治療ガイドライン、メタ解析、臨床試験、ケースレポートより、29件の出版物を特定した。
・焦点性SEと全般性SEについて説明した報告は、3件だけであった。4件は焦点性SEのみに焦点が当てられており、7件はけいれん性と非けいれん性を分類し、焦点発作の有無を記録していた。
・焦点性SEに対する推奨治療は、ステージI、IIの全般性SEに対する治療と変わらなかった。
【静脈内投与可能な場合】ロラゼパムまたはジアゼパムの静脈内投与
【静脈内投与不可能な場合】ミダゾラム筋肉内投与
【発作が継続する場合】フェニトイン、バルプロ酸、レベチラセタム、ラコサミドの静脈内投与
・難治性焦点性SE患者では、麻酔薬の使用をできるだけ遅らせるべきである。

 著者らは「入手可能なエビデンスでは、焦点性SEに対する薬理学的治療は、全般性SEと異なるべきであることを示唆するには不十分である。より多くの患者を対象とした、さらなる研究が求められる」としている。

(鷹野 敦夫)