再発・難治性古典的ホジキンリンパ腫に対するペムブロリズマブの成績(KEYNOTE-204試験)/ASCO2020

提供元:ケアネット

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公開日:2020/06/24

 

 カナダ・プリンセス・マーガレットがんセンターのJohn Kuruvilla氏は、再発・難治性古典的ホジキンリンパ腫に対するペムブロリズマブとブレンツキシマブ ベドチンを比較する無作為化非盲検第III相試験KEYNOTE-204の結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表。ぺムブロリズマブはブレンツキシマブ ベドチンに比べ無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したと報告した。

・対象:自家造血幹細胞移植後の再発、自家造血幹細胞移植が不適応、1次治療後に再発した難治性古典的ホジキンリンパ腫で、国際ワーキンググループ(IWG 2007)基準の測定可能病変を有し、PS 0~1の患者(304例)
・試験薬:ぺムブロリズマブ200mg3週ごと最大35サイクル(ペムブロリズマブ群、151例)
・対照薬:ブレンツキシマブ ベドチン1.8 mg/kgを3週ごと最大35サイクル(ブレンツキシマブ ベドチン群、153例)
・評価項目:
[主要評価項目]自家造血幹細胞移植あるいは同種造血幹細胞移植後の臨床および画像所見を含んだIWG2007基準による盲検独立中央評価によるPFS
[副次評価項目]自家造血幹細胞移植あるいは同種造血幹細胞移植後の臨床および画像所見を含まないIWG2007基準による盲検独立中央評価によるPFS、IWG2007基準による盲検独立中央評価による奏効率(ORR)、研究者評価によるPFS、奏効持続期間(DoR)、全症例での安全性

 主な結果は以下のとおり。

・主要評価項目のPFS中央値は、ペムブロリズマブ群が13.2ヵ月(95%信頼区間[CI]:10.9~19.4)、ブレンツキシマブ ベドチン群が8.3ヵ月(95%CI:5.7~8.8)で、ペムブロリズマブ群で有意な延長が認められた(ハザード比[HR]:0.65、95%CI:0.48~0.88、p=0.00271)。
・自家造血幹細胞移植あるいは同種造血幹細胞移植後の臨床および画像所見を含まないIWG2007基準による盲検独立中央評価によるPFS中央値は、ペムブロリズマブ群が12.6ヵ月(95%CI:8.7~19.2)、ブレンツキシマブ ベドチン群が8.2ヵ月(95%CI:5.6~8.6)であった(HR:0.62、95%CI:0.46~0.85)。
・研究者評価によるPFSは、ペムブロリズマブ群が19.2ヵ月(95%CI:13.8~28.1)、ブレンツキシマブ ベドチン群が8.2ヵ月(95%CI:5.7~8.6)であった(HR:0.49、95%CI:0.36~0.67)。
・盲検独立中央評価によるORRは、ペムブロリズマブ群が65.6%(95%CI:57.4~73.1)、ブレンツキシマブ ベドチン群が54.2%(95%CI:46.0~62.3)で事前設定の有意差は認めなかった(p=0.0225、事前設定p<0.006)。
・DoR中央値はペムブロリズマブ群が20.7ヵ月、ブレンツキシマブ ベドチン群が13.8ヵ月であった。
・Grade3以上の全有害事象は、ペムブロリズマブ群が43.9%、ブレンツキシマブ ベドチン群が43.4%、Grade3以上の治療関連有害事象はそれぞれ19.6%、25.0%であった。

 これらの結果から、Kuruvilla氏は「ペムブロリズマブは、自家造血幹細胞移植が不良あるいは不適応の再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する新たな標準治療となるべきである」と述べた。

(ケアネット)

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