日本人の妊娠出産による摂食障害再発や産後うつ病

提供元:ケアネット

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公開日:2020/07/08

 

 出産可能年齢の女性における摂食障害(ED)発症についての研究が行われている。しかし、妊娠中および出産後の女性を対象とした長期フォローアップ研究は、あまり行われていない。東邦大学の牧野 真理子氏らは、妊娠中および出産後のED再発とED完全寛解の女性における産後うつ病について調査を行った。BMC Pregnancy and Childbirth誌2020年5月27日号の報告。

 1994~2004年に診療所外来を受診したED患者1,008例のうち、ED寛解および妊娠した女性は55例であった。このうち、研究への参加に同意した患者は25例(神経性過食症[BN]21例、神経性食欲不振症[AN]4例)であった。最終的に、流産した患者を除く24例が研究に含まれた。対象患者は、妊娠中と出産後の両方で2週間ごとに面接を受けた。EDおよび産後うつ病の診断には、Eating Attitudes Test-26(EAT-26)、エジンバラ産後うつ病評価尺度(EPDS)を用いた。統計分析には、両側独立検定を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・妊娠中にEDを再発した患者は16例(67%)、出産後にEDを再発した患者は12例(50%)であった。
・産後うつ病が認められた患者は12例(50%)、低体重児出産は4例(33%)で認められた。
・産後うつ病が認められなかった患者では、低体重児出産は認められなかった。
・産後うつ病群と非産後うつ病群の間に、出生時体重の有意な差は認められなかった(p=0.065)。

 著者らは「妊娠中および出産後の女性では、EDの再発率や産後うつ病の発症率が高いことが明らかとなった。妊娠中および出産後の綿密なEDモニタリングが求められる」としている。

(鷹野 敦夫)