2020年7月30日、大日本住友製薬は2型糖尿病治療薬として開発中のimegliminの国内製造販売承認の申請を行ったと発表した。本剤は2021年度に国内で世界初となる上市を予定している。
imegliminは、ミトコンドリアの機能を改善するという独自の作用機序を有し、膵臓・筋肉・肝臓において、グルコース濃度依存的なインスリン分泌の促進と、イ ンスリン抵抗性の改善および糖新生の抑制という作用を示すことで血糖降下作用が期待されている。さらに、本剤の作用機序は、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用や、膵臓β細胞の保護作用を有する可能性も示唆されている。これより、経口薬である本剤は、単剤および併用による2型糖尿病の血糖コントロールにおいて幅広く使用される可能性がある。
これまで大日本住友製薬およびPoxel社(フランス)は、第III相試験のTIMES試験をはじめ、日本国内で共同開発プログラムを進めており、両社は2017年10月に、日本、中国、韓国、台湾、その他東南アジア9ヵ国を対象に、imegliminの開発および製品化に関する提携契約を締結していた。
(ケアネット 土井 舞子)