不眠症に対するレンボレキサントの長期有効性・忍容性

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2020/08/18

 

 新規デュアルオレキシン受容体拮抗薬レンボレキサント(LEM)の成人不眠症患者に対する長期の有効性および安全性を評価するため、フィンランド・オウル大学のMikko Karppa氏らは第III相ランダム化臨床試験を行い、その結果を報告した。Sleep誌オンライン版2020年6月26日号の報告。

 本検討では、6ヵ月のプラセボ対照試験(第1段階)および治療群のみの6ヵ月フォローアップ試験(第2段階)で構成される12ヵ月間の国際多施設ランダム化二重盲検並行群間第III相試験のうち、第1段階の結果が報告された。18歳以上の不眠症患者949例を対象とし、LEM 5mg群、LEM 10mg群、プラセボ群にランダムに割り付けた。エンドポイントである睡眠開始および睡眠継続は、毎日の電子睡眠日誌のデータを用いて分析した。治療中に発生した有害事象(TEAE)は、研究全体を通じてモニタリングを行った。

 主な結果は以下のとおり。

・LEM 5mg群およびLEM 10mg群は、プラセボ群と比較し、主観的な入眠時間、中途覚醒、睡眠効率のベースラインからの有意な改善が認められた。
・有意な改善効果は、6ヵ月にわたり認められており、LEMの持続的な長期の有効性が示唆された。
・LEM治療により、睡眠開始および睡眠継続の治療反応者の割合が有意に上昇した。
・LEM治療群では、プラセボ群と比較し、6ヵ月後の睡眠の質の有意な改善が認められた。
・TEAEの大部分は、軽度または中等度であった。
・重度なTEAEの発生率は低く、死亡例は認められなかった。

 著者らは「LEM 5mgまたは10mgによる治療は、プラセボと比較し、不眠症患者の睡眠開始および睡眠継続に大きなベネフィットをもたらし、忍容性も良好であった」としている。

(鷹野 敦夫)