化学療法+アテゾリズマブの1次治療で長期生存した小細胞肺がんの特徴(IMpower133)/ESMO2020

提供元:ケアネット

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公開日:2020/10/09

 

 IMpower133では、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の1次治療において、カルボプラチン+エトポシドへのアテゾリズマブの追加は、長期追跡でも持続した全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)の改善を示している。欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)では、IMpower133の長期生存者(LTS、無作為化後18ヵ月以上生存)の探索的分析を米国・Lombardi包括的がんセンターのS. V. Liu氏が報告した。

・対象:全身治療未実施のES-SCLC患者(無症状の既治療CNS病変を有する患者は許容)
・試験群:アテゾリズマブ+カルボプラチン+エトポシド、21日ごと4サイクル(atezo+CE群、201例)
・対照群:プラセボ+カルボプラチン+エトポシド、21日ごと4サイクル(CE群、202例)
・評価項目:治験医師評価による無増悪生存期間(PFS)およびOS

 主な結果は以下のとおり。

・データカットオフ時(2019年1月24日)の追跡期間中央値は22.9ヵ月であった。
・OS中央値は、atezo+CE群51.9ヵ月に対しCE群10.3ヵ月と、atezo+CE群の有意な改善は持続していた(HR:0.76、95%CI:0.60~0.95、p=0.00154)。
・373例(182例、191例)が今回の探索的研究の対象となった。
・LTS患者の割合は、atezo+CE群33.5%(61/182例)、 CE群20.4%(39/191例)と、atezo+CE群で多かった。
・年齢、性別、PS、転移巣の数、腫瘍最長径和などのベースライン状況を問わず、atezo+CE群でLTS患者が多かった。
・血漿腫瘍遺伝子変異量、PD-L1発現量とLTSとの関連は見られなかった。

(ケアネット 細田 雅之)

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