COVID-19に対する予防措置を講じても、約20%の人が適切な実施に対して消極的であることが、東京大学医科学研究所の武藤 香織氏らの研究によって明らかとなった。消極的な人の特徴として、男性、若年(30歳未満)、未婚、低所得世帯、飲酒または喫煙の習慣、外向性の高さが挙げられた。PLOS ONE誌2020年6月11日号の報告。
COVID-19に対して予防措置や自制の呼び掛けといった対策を講じ、協力を要請した状況下で、予防的行動がいつ、どのように変化したか調査した。クォータサンプリングに基づき、オンラインプラットフォームで実施された横断調査のミクロデータ(20~64歳、回答者数合計1万1,342人)を使用した。
全国調査の結果については以下のとおりである。
・社会的距離の測定は、約85%が実践しており、女性、高年齢の割合が高かった。
・頻繁な手洗いは全体の86%(女性の92%、40歳以上の87.9%)で実践されていた。
・予防措置に影響を与えた要因に、2020年2月初旬に発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」での感染が影響していた。
・適切な予防措置の実施に約20%が消極的であり、その特徴は、男性、若年(30歳未満)、未婚、低所得世帯、飲酒または喫煙の習慣、外向性の高さであった。
著者らは、「日本での感染拡大を防ぐためには、さまざまな手段を用いて行動の変化を促すことが不可欠である」としている。
(ケアネット 高津 優人)