冬の健康管理は3つのキープ(3K)に注目

提供元:ケアネット

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公開日:2020/12/17

 

 2020年11月18日(水)に大塚製薬株式会社より発行された、冬の健康管理についての最新情報に関するニュースレターで、「距離」「衛生」「体内の水分」の3つのキープ(3K)が冬の健康管理の新習慣として重要であること、体内の水分はイオン飲料での補給が効果的であることなどが紹介された。

 その中で、東京女子医科大学 呼吸器内科学教授の多賀谷 悦子氏は「線毛輸送機能を維持し、ウイルス感染を防ぐには水分補給が重要となる。乾燥しやすい冬に効率のよい水分補給として、水分保持率の高いイオン飲料が有用である」と述べている。

 ウイルスの脅威に立ち向かうため、空気の乾燥、暖房機器使用により湿度が低下した冬の水分摂取は重要である。やみくもな水分摂取ではなく、イオン飲料による効率的な水分摂取で、3つのキープ(3K)を意識した冬の健康管理が浸透することを期待したい。

知らず知らずの乾燥

 生活するうえで快適な湿度は40~60%といわれているが、冬の湿度は約50%、最小湿度で10~20%まで低下する。空気中の水蒸気量が少なく乾燥しやすいうえに、暖房機器の使用はさらなる乾燥を引き起こす。密閉性の高い近年の住環境も乾燥に拍車を掛けており、乾燥がウイルス活動の活性化の要因の1つとされている。

冬のカラダは水分不足

 私たちのカラダは1日に約2.5Lの水分を失う。皮膚や粘膜、呼気から失われる不感蒸泄は1日約900mLといわれており、気温が低く乾燥した冬の環境では消失量が増加する。夏と比較して汗をかきにくく、水分摂取の機会も減ることから、冬でも脱水を引き起こす可能性がある。

ウイルスからカラダを守る「線毛運動」

 線毛には、鼻やノドから入るウイルスの体内への侵入を防ぐ最前線の防御機能があり、気道に侵入したウイルスは粘液で捕らえられ線毛によって運搬・排除される。線毛は乾燥に弱く、湿度が低い環境下では運動能力が低下するため、湿度の維持とカラダの水分量を保つことが重要とされる。

イオン飲料による水分補給の効果

 低湿度環境下において、鼻腔粘液線毛輸送機能に対するイオン飲料の効果を「サッカリンテスト」にて検討1)したところ、「何も摂らない」「ミネラルウォーターを摂取」「イオン飲料を摂取」の3条件の中で、イオン飲料の摂取が線毛輸送機能の低下を有意に抑えた。また、イオン飲料と水を摂取し2時間後の体内保持率を比較した結果2)でもイオン飲料のほうが高く、イオン飲料は体内の水分量、線毛輸送機能を維持するために重要であると示唆されている。

今冬は「3つのキープ(3K)」に注目

 冬は気温が低く乾燥しやすい季節であり、ウイルス感染が心配されるため、「3つのキープ(3K)」を意識した健康管理が必要であるとして、下記の対策を大塚製薬は推奨している。
・対策(1):KEEP DISTANCE(距離を保とう)
・対策(2):KEEP CLEAN(衛生を保とう)
・対策(3):KEEP WATER(水分を保とう)

まとめ

 2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、私たちの日常は大きく変化した。引き続きウイルスによる脅威に曝されている環境下にあるため、ソーシャルディスタンス、手洗い・うがいに加えて、イオン飲料による小まめな水分摂取を意識して、ウイルスに負けない健康管理に取り組む必要がある。

(ケアネット 高津 優人)