進行非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療において、ニボルマブとイピリムマブにさらに2サイクル限定の化学療法を追加することで臨床的利益がさらに高まることが先の国際学会で示されているが、その第III相試験CheckMate 9LA試験の結果が、Lancet Oncology誌に掲載された。
同試験は19ヵ国103施設で実施された。適格患者は18歳以上の未治療のStageIVまたは再発のNSCLC、ECOG PSは0〜1であった。患者はニボルマブ(360mg 3週間ごと)+イピリムマブ(1mg/kg 6週間ごと)+組織型別化学療法2サイクル(3週ごと2サイクル)群(以下、NIVO+IPI+Chemo群)と組織型別化学療法(3週ごと4サイクル)群(以下、Chemo群)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、全無作為割付患者の全生存期間(OS)であった。
主な結果は以下の通り。
・2017年8月24日~2019年1月30日に、1,150例の患者が登録され、361例がNIVO+IPI+Chemo群、358例がChemo群に割り付けられた。
・事前に計画された中間分析(追跡期間中央値9.7ヵ月)におけるOS中央値は、NIVO+IPI+Chemo群14.1ヵ月に対しChemo群10.7ヵ月と、NIVO+IPI+Chemo群で有意に長かった(HR:0.69、96.71%CI:0.55~0.87、p=0.00065)。
・さらに3.5ヵ月長い追跡期間中央値13.2ヵ月におけるOS中央値は、15.6ヵ月対10.9ヵ月であった(HR:0.66 、95%CI:0.55~0.80)。
・頻度の高いGrade3〜4の治療関連有害事象は、好中球減少症(NIVO+IPI+Chemo群7%対Chemo群9%)、貧血(6%対14%)、下痢(4%対1%)、リパーゼ上昇(6%対1%)などであった。
・全Gradeの重篤な治療関連有害事象は、NIVO+IPI+Chemo群で30%、Chemoで群18%で発現し、治療関連死はNIVO+IPI+Chemo群で2%、Chemo群で2%であった。
(ケアネット 細田 雅之)