血液によるCOVID-19重症化リスクの判定補助キットが保険適用/シスメックス

提供元:ケアネット

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公開日:2021/02/08

 

 シスメックスは2月4日、SARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助する新規の体外診断用医薬品として、インターフェロン-λ3(IFN-λ3)キット「HISCLTM IFN-λ3試薬」が2月3日に保険適用を受けたことを発表した。同キットと全自動免疫測定装置を用いて血清中のIFN-λ3を測定することで、SARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助するための情報を提供する。

 シスメックスは国立国際医療研究センターとの共同研究を通じ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化リスクの経過観察に有用なバイオマーカーとして、IFN-λ3を特定した。IFN-λ3は重症化の症状が認められる数日前に急激に血液中の濃度が上昇することが確認されており、重症化の予測や経過観察補助としての臨床有用性が報告されている1,2)。同製品は、2020年12月22日にSARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助する新規の体外診断用医薬品として、製造販売承認を取得している3)

 保険適用により、SARS-CoV-2陽性となり、倦怠感および咳や発熱がある軽症患者、息切れや呼吸器初期症状などの所見が確認される中等症患者に対して、定期的に血清中のIFNλ3を測定することが可能となる。

【製品の概要】
一般的名称:インターフェロン-λ3キット
販売名:HISCLTM IFN-λ3試薬(製造販売承認番号:30200EZX00089000)
使用目的:血清中のインターフェロン-λ3の測定(SARS-CoV-2陽性患者の重症化リスク
の判定補助)
対象地域:日本
製造販売元:シスメックス株式会社
発売日:2021年1月5日

【保険適用の概要】4)
申請区分:E3(新項目)
測定項目:インターフェロン-λ3(IFN-λ3)
測定方法:2ステップサンドイッチ法を用いた化学発光酵素免疫測定法
保険点数:340点
留意事項:(10)インターフェロン-λ3(IFN-λ3)
 ア COVID-19と診断された患者(呼吸不全管理を要する中等症以上の患者を除く。)の重症化リスクの判定補助を目的として、2ステップサンドイッチ法を用いた化学発光酵素免疫測定法により、インターフェロン-λ3(IFN-λ3)を測定した場合は、区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「14」HBVジェノタイプ判定の所定点数を準用して算定する。
 イ 本検査を2回以上算定する場合は、前回の検査結果が基準値未満であることを確認すること。
 ウ 本検査の実施に際し、区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「14」HBVジェノタイプ判定の所定点数を準用して算定する場合は、区分番号「D013」肝炎ウイルス関連検査の「注」に定める規定は適用しない。

(ケアネット 遊佐 なつみ)