アンジェスが開発している高血圧DNAワクチンの第I/IIa相臨床試験(オーストラリアで実施中)において、投与後の経過観察期間を経た初期の試験結果から、重篤な有害事象はなく安全性に問題がないこと、また、アンジオテンシンIIに対する抗体産生を認められたことを、2月4日、アンジェスが発表した。今後、安全性、免疫原性および有効性を評価する試験を継続的に行っていく予定。
高血圧DNAワクチンは、アンジオテンシンIIに対する抗体を体内で作り出し、その働きを抑えることで高血圧を治療するために開発が進められている。現在、多く使用されている経口降圧薬は毎日忘れずに服用する必要があるが、注射剤であるDNAワクチンは一度の投与で長期間にわたって効果が持続することが期待されている。とくに経口剤の服用が難しい高齢者を中心に利便性が向上する。
今回の第I/IIa相試験は、安全性、免疫原性および有効性の評価を目的としたプラセボ対照二重盲検比較試験で、対象は高用量のアンジオテンシンII受容体拮抗薬による血圧のコントロールが必要な高血圧患者24例(高血圧ワクチン18例、プラセボ6例)。観察期間は12ヵ月である。
(ケアネット 金沢 浩子)