スマートフォンや携帯電話などの端末を使用することができないことに対して恐怖を抱く状態をノモフォビアという。バーレーン・Arabian Gulf UniversityのHaitham Jahrami氏らは、ノモフォビアと食物依存症および不眠症状との関連について調査を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2021年1月15日号の報告。
対象は、18~35歳のバーレーン若年成人654人(男性:304人、女性350人[女性の割合:54%])。基本的な人口統計学的および身体測定の特徴、ノモフォビア質問票(NMP-Q)、不眠症重症度質問票(ISI)、Yale食物依存症尺度(YFAS)を含む自己評価型の構造化されたオンライン質問票を用いて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・重度のノモフォビア、中等度~重度の不眠症状、食物依存症は、個別または合併ともに、女性では一般的に認められた。しかし、統計学的な有意性は認められなかった。
・重度のノモフォビアの有症率は、女性で21.7%(76例)、男性で18.8%(57例)であった(p=0.9)。
・中等度~重度の不眠症状の有症率は、女性で16%(56例)、男性で11.84%(36例)であった(p=0.1)。
・食物依存症の有病率は、女性で20.29%(71例)、男性で17.43%(53例)であった(p=0.3)。
・ノモフォビアと不眠症状との間に統計学的に有意な関連が認められた(r=0.60、p<0.001)。
・ノモフォビアと食物依存症との関連は認められなかった。
著者らは「ノモフォビアは若年成人、とくに女性において頻度が高かった。ノモフォビアは、不眠症状との関連が認められたが、食物依存症との関連は認められなかった」としている。
(鷹野 敦夫)