ニプロ株式会社(大阪市北区)は4月12日のプレスリリースで、新型コロナワクチン接種に伴う需要に応えて開発した「ニプロVAシリンジ」について、3月25日付で承認事項一部変更承認を取得したと発表した。
現在、国内で承認され接種可能なファイザー社製の新型コロナワクチンは筋肉注射が前提であることから、同シリンジは筋肉に確実に届くよう針長を25mmとし、薬液吸引および注入時の操作性などを考慮し、25G(0.5mm)の針を採用した。また、針と外筒を一体型にすることでローデッド化を実現。薬液の残るシリンジ先端部分は、従来型通常シリンジの約15分の1(約 0.002mL)程度であり、より残液量の少ないワクチン接種にも対応できる。社内検証では、ファイザー社製ワクチン1瓶から7回分の薬液が採取可能なことを確認したという。来月から国内工場で生産を開始する予定に加え、さらなる承認事項一部変更承認申請により、タイ工場でも製造を進める方針。
併せて同社は、「ニプロシリンジ」の製造ラインを強化したことも発表。ガスケット先端を突起型にしたローデッドモデルで、本製品はあらゆる太さ、長さの針が装着可能という。
これらの生産体制の確立により、ニプロ社における2タイプのシリンジ生産数量は、今年度で合わせて約1億本となる見込みだ。
(ケアネット 鄭 優子)