オランダの産後うつ病女性に対するケアが、産後うつ病の症状、子供、仕事にどのような影響を及ぼすかについて、オランダ・Universiteit TwenteのA. I. van der Zee-van den Berg氏らが、検討を行った。Nederlands Tijdschrift voor Geneeskunde誌2021年3月11日号の報告。
子供のヘルスケア環境下における産後うつ病スクリーニングの有効性に関するプロスペクティブ比較試験の対照群よりデータを抽出した。2つのオンラインアンケートを用いてデータを収集した。出産3週間後における母親の特性を調査した。出産12ヵ月後、産後うつ病、うつ症状のケア、産後の母子に対する一般的なケア、産後12ヵ月以内の仕事復帰について調査した。違いを確認するために、カイ二乗検定とスチューデントt検定を行った。
主な結果は以下のとおり。
・対象女性1,049人のうち99人(9.4%)は、出産した年に産後うつ病の経験が認められた。
・産後うつ病女性99人のうち71.0%は、産後うつ病軽減のために何かしらのケアを受けていた。
・産後うつ病女性のうち31.3%はうつ病と診断され、37.7%は実際に治療を受けていた。
・産後うつ病女性は、そうでない女性と比較し、自分自身または子供に対してより多くのケアを受けていた。
・産後うつ病女性は、欠勤率が有意に高かった。
著者らは「産後うつ病ケアを受ける女性は限られていた。出産後の女性のための定期的なスクリーニングやカスタマイズされたケアへの社会的投資の必要性が示唆された」としている。
(鷹野 敦夫)