うつ病の薬理学的介入に対する肥満の影響~メタ解析

うつ病と肥満との関連は、ベースライン時のBMIがうつ病に対する薬理学的治療の寛解率に影響を及ぼす可能性を示唆している。ブラジル・サンパウロ連邦大学のRuth Bartelli Grigolon氏らは、抗うつ薬を投与したうつ病患者の寛解に対し、ベースラインのBMIが影響するかについて、検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年3月15日号の報告。
PRISMAガイドラインに基づいて、PubMed、Cochrane、Embaseよりシステマティックレビューを実施し、メタ解析およびメタ回帰を行った。抗うつ薬単剤療法または併用療法の有効性を評価したランダム化比較試験のうち、ベースライン時のBMIを収集した研究をメタ解析に含めた。ベースライン時のBMIと寛解率との線形関係を説明するモデルを作成した。
主な結果は以下のとおり。
・システマティックレビューにより、アクティブ群9,779例、プラセボ群7,136例を含む70研究が抽出された。
・プラセボ対照試験では、BMIはアクティブ群の寛解率に影響を及ぼすことが示唆された。
・抗うつ薬単剤療法における寛解率は、肥満患者(12%)よりも、正常体重から過体重の患者(33%)で高かった。
・単剤療法では、ベースライン時のBMIが低いと、寛解率が高かった(p=0.029)。
・併用療法では、プールされた寛解率は、正常体重から過体重の患者(17%)よりも、肥満患者(75%)のほうが高かった。
・本研究の限界として、BMIが体組織の関連する情報を提供していない点、肥満が寛解率に影響を及ぼす可能性のある他の潜在的な交絡因子と関連している可能性がある点が挙げられる。
著者らは「これまで十分に検討されていなかったが、うつ病患者に対する抗うつ薬治療の寛解率は、ベースライン時のBMIと関連している可能性がある」としている。
(鷹野 敦夫)
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