ALK陽性肺がん、第2世代ALK-TKI後のロルラチニブの頭蓋内・外有効性/Ann Oncol

提供元:ケアネット

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公開日:2021/04/30

 

 ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)は中枢神経系への転移が多い。それはALK-TKIの出現で予後が著しく改善した現在でも依然として問題である。 第3世代ALK/ROS1-TKIのロルラチニブは脳内移行が高く、ALK陽性のNSCLCに対して良好な抗腫瘍活性を示す。第2世代ALK-TKIで進行したALK陽性NSCLCにおけるロルラチニブの全体的、頭蓋内、頭蓋外の有効性を評価した第II相試験の結果が発表された。

 この進行中の第II相試験(NCT01970865)では、第2世代ALK-TKI±化学療法の治療歴を有するALK陽性進行NSCLC患者が、治療歴別に拡大コホート(EXP)に登録された。

・対象:第2世代ALK-TKI±化学療法の治療歴を有するALK陽性進行NSCLC
・介入:ロルラチニブ100mg/日 3週ごと 進行または忍容できない毒性が発現するまで投与
・評価項目:独立中央放射線委員会(ICR)評価の頭蓋内(IC-ORR)、頭蓋外(EC-ORR)および全奏効率(ORR)
・拡大コホート:
  第2世代ALK-TKI ±化学療法歴1回(EXP3B)
  第2世代ALK-TKI ±化学療法歴2回(EXP4)
  第2世代ALK-TKI ±化学療法歴3回(EXP5)

 主な結果は以下のとおり。

・EXP3B~5の患者139例のうち、EXP3Bは28例、EXP4は65例、EXP5は46例であった。
・EXP3B~5のORRは39.6%、IC-ORRは56.1%、EC-ORRは36.7%であった。
・EXP3B~5の奏効期間中央値(DoR)は9.6ヵ月であった。IC-DoRは12.4ヵ月、EC-DoRは9.7ヵ月であった
・EXP3B~5の無増悪生存期間中央値は6.6ヵ月、全生存期間中央値は20.7ヵ月であった。
・EXP3BのORRは42.9%、IC-ORRは66.7%、EC-ORRは32.1%であった。
・EXP4およびEXP5のORRは38.7%、IC-ORRは54.2%、EC-ORRは37.8%であった。

 ロルラチニブは、第2世代のALK-TKI治療後の集団において、臨床的に意味のある頭蓋内および頭蓋外抗腫瘍活性を示した。

(ケアネット 細田 雅之)

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