乳がん術後の放射線寡分割照射と通常分割照射の急性毒性を比較(HypoG-01)/ESMO2021

提供元:ケアネット

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公開日:2021/10/11

 

 乳がん術後の放射線療法の照射回数と期間が照射後の安全性に与える影響を検討したHypoG-01試験の結果がフランス・Institut Gustave RoussyのSofia Rivera氏より、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)にて発表された。

 同試験はフランス国内で実施された多施設共同の非劣性検証第III相試験である。

・対象:領域リンパ節への放射線照射の対象となる手術後乳がん(リンパ節転移の有無と腫瘍径は問わず、遠隔転移ありは除外)
・試験群(寡分割照射法):総線量40Gyを15回に分割し3週間で放射線照射終了(寡分割群:633例)
・対照群(通常分割照射法):総線量50Gyを25回に分割し5週間で放射線照射終了(通常群:631例)
 両群とも主治医判断でブースト照射の追加は可能
・評価項目:腕のリンパ浮腫などを3年間追跡

 主な結果は以下のとおり。

・年齢中央値は58歳、T1が33%でT2が47%(腫瘍径中央値は27mm)であった。
・乳房切除術は47%、乳房部分切除術は53%、腋窩リンパ節郭清は82%に施行されていた。また、強度変調放射線照射(IMRT)は52%、リアルタイム 3D照射(RT3D)は48%であった。
・放射線照射後1ヵ月間の有害事象は、ほとんどがGrade1/2であった。
・主な事象の発現率は、皮膚炎が寡分割群80%対通常群89%、全身倦怠感は49%対54%、疼痛は42%対47%、嚥下障害は20%対23%、色素沈着は12%対13%、呼吸器障害は16%対22%などで、両群間に大きな差は見られなかった。
・Grade2以上の皮膚炎はBMI25以下の症例に比べ、BMI30を超える症例で多く見られ、寡分割群では29%、通常群48%であった。
・合計18例で重篤な有害事象が発現したが(寡分割群10例、通常群8例)、そのうち治療と関連ありと判断されたのは各群1例ずつであった。

 演者は「15回/3週間での寡分割照射の安全性に関する懸念は見いだされなかった。本試験の長期的な追跡調査も進行中であり、さらにほかの臨床試験データとのメタ解析も計画されている」と締めくくった。

(ケアネット)

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