片頭痛と認知症リスク~メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2021/10/28

 

 片頭痛と認知症との関連を調査した研究はほとんどなく、その結果も矛盾している。中国・The Second People's Hospital of HefeiのLong Wang氏らは、片頭痛と認知症との関連性が認められるかを明らかにするため、メタ解析を実施した。Acta Neurologica Scandinavica誌オンライン版2021年9月15日号の報告。

 各種データベース(PubMed、EBSCO、Web of Science、EMBASEなど)より2021年4月1日までに公表されたコホート研究を検索した。片頭痛患者における認知症のリスク比(RR)は、RevMan 5.1ソフトウエアを用いて算出した。不均一性の原因を評価するため、サブグループ解析および感度分析を行った。不均一性が認められた場合には、変量効果モデルを用いた。出版バイアスの評価には、Funnel plotとEgger's testを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・5件のコホート研究より、合計24万9,303人の対象者が抽出された。
・プールされた分析では、片頭痛はすべての原因による認知症(RR:1.34、95%CI:1.13~1.59)およびアルツハイマー病(RR:2.49、95%CI:1.16~5.32)のリスク増加と関連していることが示唆された。
・片頭痛と血管性認知症リスクとの有意な関連は認められなかった(RR:1.51、95%CI:0.77~2.96)。

 著者らは「片頭痛は、アルツハイマー病およびすべての原因による認知症の潜在的なリスク因子であることが示唆された」としている。

(鷹野 敦夫)

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