アストラゼネカは卵巣がん患者の情報収集の実態と一般女性の卵巣がんに対する認識・理解度を把握するためのWebアンケートを実施し、結果を発表した。卵巣がんは国内の年間新規患者数約1万3,000人、初期は自覚症状がほとんどなく、検診での早期発見も難しいとされる。アンケートの回答者は「10年以内に卵巣がんと診断された20代以上の卵巣患者111名(患者調査)」と「卵巣がんに罹患していない女性1,314名(一般調査)」の2群。
【患者調査】
93%が卵巣がんに関する情報を自ら調べていると回答し、情報収集源は医療情報関連サイトや病院HP、患者のブログなど多岐にわたっていた。また、62%が「情報収集時に困難を感じた」と回答し、困りごとの内訳としては、「信頼できる情報がどれだかわからなかった」(56%)、次いで「いろいろなサイトを見に行かなければならなかった」(39%)が続いた。
患者が「信頼性の高い情報源」と認識しているのは「医師の情報(「非常に高い」「高い」の計71%)、「病院のHP」(同68%)が上位となり、これに学会や製薬会社の情報が続いた。他には「書籍」42%、「家族・知人」23%、「SNS」15%等が挙がった。一方で、医師の治療内容の説明に対して、54%が「専門用語などが難しく、その場ですぐに理解できなかった」と回答した。
そして、72%が「情報が集約されている方が便利」と回答し、必要とする情報が医師監修など信頼できるかたちで1ヵ所にまとまって入手できる状態を望んでいることが確認された。
【一般調査】
婦人科検診の受診状況について57%が「受けていない」と回答し、未受診の理由は「体調の不調を感じない」(44%)、「必要性を感じない」(23%)などとなった。婦人科検診を受けた人の中でも、マンモグラフィを子宮頸がん・卵巣がんの検査と認識するなど、どのがんのための検査なのかを理解していない人が一定数存在した。また、「おなかの張り」「腹痛」の症状がある時に受診する科としては8割以上が「内科」と回答し、婦人科は10%台だった。また、好発年齢や家族歴等のリスク要因について、卵巣がんは乳がん、子宮頸がんと比べて理解度が低いという結果が出た。
調査を実施したアストラゼネカは「患者からは信頼できる正確な情報を手軽にかつ1ヵ所で入手したいというニーズが確認でき、一般の方には卵巣がんに対する知識の向上と婦人科検診の受診への意欲を高めてもらえるよう、各種の取り組みを続けたい」とコメントしている。
【アンケート概要】
調査対象:
[1]10年以内に「卵巣がん」と診断された20代以上の女性:111名
[2]卵巣がんに罹患していない20代~70代の女性:1,314名
調査方法:Webアンケート
調査期間:2021年8月27日~9月1日
アンケートの詳細は下記
卵巣がん患者情報収集に関する調査
卵巣がんに関する意識調査
(ケアネット 杉崎 真名)