厚生労働省は、10月29日に事務連絡として全国の自治体に「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の議論と追加接種に関する今後の見通しについて」を発出した。
これは第25回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(10月28日開催)で審議された内容を整理したものである。
追加接種の対象者は2回接種完了者全員
1)新型コロナワクチンの追加接種について
わが国でも追加接種は必要であり、現時点では2回目の接種を完了してからおおむね8ヵ月以上後から行うこととしつつ、今後のさらなる科学的知見を踏まえ、必要に応じて適宜見直すこと。
追加接種の対象者については、2回接種完了者すべてに対して追加接種の機会を提供することが現実的であること。その上で、国内外で得られるワクチンの効果などを踏まえ、特に接種することが望ましい者について検討を進め、国民へ広報などを行うこと。また、追加接種に使用するワクチンについては、1回目・2回目に用いたワクチンの種類にかかわらず、mRNAワクチン(ファイザー社ワクチンまたは武田/モデルナ社ワクチン)を用いることが考えられるが、引き続き科学的知見を収集し、検討を行うこと。
2)今後のスケジュールについて
12月から開始を予定している追加接種の実施に向け、現時点で想定される今後のスケジュールは以下のとおり。
2021年
〔11月中旬〕
・ファイザー社ワクチンの追加接種について、対象者などを定める省令改正などを厚生科学審議会に諮問
・自治体説明会
〔11月中下旬〕
・市町村から、接種券(一体型予診票)を順次送付開始
・自治体に対し、12月および1月接種分として、ファイザー社ワクチン約412万回を配分(以後、順次、必要量を配分)
〔12月1日〕
・追加接種の関係省令を施行。以降、市町村において順次ファイザー社ワクチンによる追加接種を開始
〔12月下旬以降〕
・武田/モデルナ社ワクチンの追加接種について、厚生科学審議会に諮問
2022年
〔1月〕
・自治体などに対し、武田/モデルナ社ワクチンの配分開始(以降、順次、必要量を配分)
〔2月〕
・武田/モデルナ社ワクチンによる追加接種開始
なお、事務連絡では、上記のスケジュールは現時点で想定されるものであることから、今後の分科会における審議を踏まえ、変更もあり得るとしている。
(ケアネット 稲川 進)