オミクロン株への感染リスク、ワクチン未接種者は3回接種者の約5倍/CDC

提供元:ケアネット

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公開日:2022/02/09

 

 米国・CDCが新型コロナウイルスデルタ株出現前・出現時・優勢期およびオミクロン株出現時における、ワクチン3回接種(ブースター接種)の効果を調べた結果、3回接種者でデルタ株優勢期に高い感染予防および死亡抑制効果がみられ、オミクロン株出現期においても高い感染予防効果が認められた。とくに50~64歳と65歳以上でブースター接種による影響が大きかった。Amelia G. Johnson氏らがMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)2022年1月28日号に報告した。

 これまでに、デルタ株の出現とワクチンによる中和抗体の減少で、ワクチンの感染予防効果が低下し、一部の集団ではCOVID-19重症化も確認されている。CDCでは、ワクチンの2回接種および3回接種による効果を評価するため、米国の25の州・地域において、デルタ株出現前(2021年4~5月)、デルタ株出現時(2021年6月)、デルタ株優勢期(2021年7~11月)、オミクロン株出現時(2021年12月)の各時期で、年代(18~49歳、50~64歳、65歳以上)、ワクチン(ファイザー製、モデルナ製、Johnson & Johnson製)ごとに、未接種者、2回接種者(Johnson & Johnson製では1回)、3回接種者(Johnson & Johnson製では2回)における感染率、死亡率、発生率比(IRR)を推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・米国25の州・地域において、2021年4月4日~12月25日に、18歳以上の新型コロナ感染が未接種者で681万2,040人、2回接種者で286万6,517人報告された。12月4日までに、未接種者では9万4,640人、2回接種者で2万2,567人がCOVID-19関連で死亡した。
・2回接種者に対する未接種者の週平均感染IRR(未接種者の感染発生率/2回接種者の感染発生率)は、デルタ株出現前の13.9から、デルタ株出現時に8.7、デルタ株優勢期には5.1に減少し、2回接種者の感染予防効果が低下していた。
・デルタ株優勢期の終盤(10~11月)において、未接種者の感染リスクは3回接種者の13.9倍、2回接種者の4.0倍だった。また、未接種者のCOVID-19関連死亡リスクは3回接種者の53.2倍、2回接種者の12.7倍だった。
・オミクロン株出現時(12月)には、未接種者の感染リスクは3回接種者の4.9倍、2回接種者の2.8倍だった。
・感染および死亡に対して3回目接種による影響が最も高かった年代は、50~64歳および65歳以上だった。

(ケアネット 金沢 浩子)