ニボルマブ、尿路上皮がんにおける術後補助療法の国内承認取得

提供元:ケアネット

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公開日:2022/04/04

 

 2022年3月28日、小野薬品工業とブリストル マイヤーズ スクイブは、尿路上皮がんの術後補助療法に対して、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の効能または効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を受けたことを発表した。今回発表されたのは、CheckMate-274試験(ONO-4538-33)の結果に基づいたものである。

 CheckMate-274試験は、膀胱または上部尿路(腎盂または尿管)が原発である根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がん患者を対象に、ニボルマブ単剤療法群とプラセボ群を比較評価した多施設国際共同無作為化二重盲検第III相試験。

ニボルマブが尿路上皮がんの術後補助療法として統計学的に有意な結果

 主要評価項目は全無作為化患者およびPD-L1発現レベルが1%以上の患者における無病生存期間(DFS)であり、ニボルマブ単剤療法群で統計学的に有意な延長を示した。全無作為化患者におけるDFS中央値はニボルマブ単剤療法群で20.8ヵ月、プラセボ群で10.8ヵ月であり、ニボルマブ単剤療法群はプラセボ群と比較して、2倍近く延長し、再発または死亡リスクを30%低減した(ハザード比[HR]:0.70、98.22%信頼区間[CI]:0.55~0.90、p=0.0008)。PD-L1発現レベルが1%以上の患者におけるDFS中央値は、ニボルマブ単剤療法群で未達、プラセボ群で8.4ヵ月と、ニボルマブ単剤療法群はプラセボ群と比較して、再発または死亡リスクを45%低減した(HR:0.55、98.72%CI:0.35~0.85、p=0.0005)。ニボルマブ単剤療法の安全性プロファイルは、これまでにニボルマブの固形がんの試験で認められているものと一貫していた。

 尿路上皮がんは腎盂、尿管、膀胱および尿道に発生する悪性腫瘍で、そのほとんどが膀胱がんである。膀胱がんの標準治療は術前補助化学療法とそれに続く根治的切除術であるが、転移性がんとして再発した患者の予後は不良であるため、再発抑制を目的とした術後補助療法への医療ニーズは高いと考えられている。

(ケアネット 高津 優人)