米国の肺がんアジュバント実施率53% ガイドライン準拠に改善の余地(ALCHEMIST)/JAMA Oncol

提供元:ケアネット

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公開日:2022/04/13

 

 米国の早期非小細胞肺がん(NSCLC)ではガイドラインに沿った標準治療をどの程度行っているのか。全米の後ろ向きコホート試験の結果、実施割合には改善の余地があることが明らかになった。

 米国のNCCN(National Comprehensive Cancer Network)ガイドラインでは、リンパ節郭清を含めた外科的切除と術後補助化学療法を適切な患者に行うことが早期NSCLCの標準治療となっている。しかし、以前から多くの患者が、そのような治療を受けていないとされる。

 そこでNCCNガイドラインに準拠した手術と補助化学療法がどの程度行われているかを、全米の補助療法の大規模スクリーニング試験ALCHEMIST(Adjuvant Lung Cancer Enrichment Maker Identification and Screening Trial)で確認した。

 この試験では、リンパ節郭清を含めた外科的切除と術後補助化学療法を標準治療をする、4cm以上の原発腫瘍および/またはリンパ節転移を有するStage IB〜IIIA(AJCC7版)NSCLC患者が登録されている。

 主な結果は以下のとおり。

・2014年8月18日〜19年4月1日に登録された患者は2,833例であった。
・そのうち外科切除を受けた患者は95%、2,699例であった。
・適切と見なされるリンパ節郭清を受けた患者は53%に留まった。
・術後補助療法を受けた患者についても57%に留まった。
・4サイクルのプラチナベースの術後補助療法を受けた患者は44%、シスプラチンベースの術後補助療法を受けた患者は34%であった。
・これらの結果は、人種や民族間で変わらなかった。

 筆者は「この結果は術後補助療法試験の解釈に影響する。早期NSCLCに対する標準治療の使用を最適化するための努力が必要であることを示唆している」と述べている。

(ケアネット 細田 雅之)

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