医師の飲み会・会食参加について、ニュースで取り上げられる時もあるが、医師自身はどのように捉えているのだろうか。今回、会員医師1,000人に、最近の飲み会・会食への参加状況と感染対策について意見を聞いた。
医師の飲み会参加率は飲酒を伴わない会食よりも高い
「直近1ヵ月で、3人以上の会食(同居家族を除く)に参加した回数をお教えください」という問いに対し「0回」と回答したのは、飲酒を伴わない会食で806人(81%)、飲酒を伴う飲み会で757人(76%)であり、どちらも「0回」と答えた医師は全体の68%だった。会食への参加が1回以上と回答した医師のうち、1~2回参加した人は飲酒を伴う飲み会かどうかにかかわらず75%を超え、3回以上参加した医師は少数だった。
会食の回数を年代別で見ると、1回以上と答えた医師は20~30代で最も割合が大きく、年代が上がるにつれて徐々に低下した。全年代で、飲酒を伴わない会食よりも飲酒を伴う飲み会への参加率のほうが高かった。診療科別で見ると、糖尿病・代謝・内分泌内科医がもっとも参加率が高かった。
医師は飲み会をする飲食店の感染対策にメリハリを求める
医師が飲み会・会食をする飲食店での感染対策10項目について、それぞれ「必要」「どちらともいえない」「不要」を選択していただいた結果、「テーブル間のパーテーション(距離1m以上)」と「座席の対面を避けた配置」は半数以上の医師が「必要」と答えた。一方で、「トイレ等のハンドドライヤー利用停止」は、10項目で唯一「不要」と答えた割合が「必要」と答えた割合を超えていた。
医療従事者が会食に参加することに関しては、以下のような意見が寄せられた。
・流行度合に合わせて参加基準を柔軟に変化させるのが望ましい。(40代・感染症内科/大阪)
・これが原因でクラスターが生じるとすぐにメディアが叩きに来るからやっかい。なぜ医療従事者だけはダメなのか説明してほしい。(40代・総合診療科/大阪)
・会食に伴う感染が少なくなく、現時点では控えるに越したことはない。今は少人数での会食が限界だと思います。濃厚接触者が出ると当直や外来の埋め合わせが大変である。(40代・救急科/東京)
・原則、参加すべきでないが、感染対策の上でなら必要最小限の回数で参加しても良いのではないか。(40代・糖尿病・代謝・内分泌内科/福井)
・バイキングの手袋等、根拠の乏しい過剰な対応が多い気がします。(30代・呼吸器内科/東京)
・避けるべきなのは理解しているが、非医療者が会食や遊興を楽しんでいる中、我慢して過ごすのはつらい。(40代・循環器内科/東京)
・家族限定が望ましいが、医療従事者も人なので正直人と会わないと精神的にこれ以上もたない気がする。(50代・消化器内科/東京)
・年単位で交流がないことは異例であり人間関係も希薄になった印象。現状難しいが、どこかが指針を提示すべき。(20代・内科/京都)
・自身は参加しませんが、「感染対策を徹底した上での参加は構わないがSNS等には書かないでほしい」はまさにその通りです。糾弾されるのがわかっていることをしないでほしい。(40代・内科/福岡)
・大きな問題にはならないと思う。むしろGOサインが出たときは医師が率先して参加して、会食参加の安全性や注意事項を示した方がよい。(50代・内科/千葉)」
・3密を避けていればいいのではないか。周囲に医療従事者とわからないような配慮は必要かもしれない。(60代/千葉)
アンケート結果の詳細、診療科ごとの意見は以下のページに掲載中。
医師の会食・飲み会参加、最近の状況と意見を聞きました!1,000人アンケート
<アンケート概要>
・タイトル:会食への参加についてどうお考えですか?
・実施期間:2022年5月12日(木)
・調査方法:インターネット
・対象:会員医師 1,000人
【年代】20~30代、40代、50代、60代:各250人
【診療科】
内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、総合診療科、糖尿病・代謝・内分泌内科、感染症内科、救急科
(ケアネット 堀間 莉穂)