進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療としてのニボルマブとイピリムマブ(NIVO+IPI)の併用療法は、PD-L1の発現状態を問わず、化学療法と比較して長期的な生存効果を示すことがCheckMate 227試験の5年間追跡結果から示された。この結果は米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)において、米国・Johns Hopkins Kimmel Cancer CenterのJulie R. Brahmer氏が発表した。
CheckMate 227試験の5年追跡結果でNIVO+IPI群でのOS改善が継続
CheckMate 227試験の主な5年間追跡結果は以下のとおり。
・最小フォローアップは61.3ヵ月であった(データカットオフ2022年2月15日)。
・PD-L1≧1%は1189例、PD-L1<1%は550例であった。
[PD-L1≧1%]
・5年全生存(OS)率はNIVO+IPI群24%、化学療法群14%で、NIVO+IPI群でのOS改善が継続して見られた(HR:0.77、95%CI:0.66〜0.91)。
・5年無増悪生存(PFS)率はNIVO+IPI群12%、化学療法群2%であった(HR:0.79、95%CI:0.67~0.97)。
・奏効期間(DoR)はNIVO+IPI群24.5ヵ月、化学療法群6.7ヵ月であった。
・客観的奏効率(ORR)はNIVO+IPI群36%、化学療法群30%であった。
・5年生存患者のうち、NIVO+IPI群の66%、化学療法群では20%が、投与終了から3年以上治療を受けていなかった。
[PD-L1<1%]
・5年OS率はNIVO+IPI群19%、化学療法7%であった(HR:0.77、95%CI:0.66〜0.91)。
・5年PFS率はNIVO+IPI群10%、化学療法2%であった(HR:0.75、95%CI:0.59〜0.95)。
・DoRはNIVO+IPI群19.4ヵ月、化学療法群4.8ヵ月であった。
・ORRはNIVO+IPI群27%、化学療法23%であった。
・5年生存患者のうち、NIVO+IPI群の64%、化学療法群では17%が、投与終了から3年以上治療を受けていなかった。
・NIVO+IPI療の新たな安全性シグナルは観察されなかった。
(ケアネット 細田 雅之)