アストラゼネカは、2022年9月27日付けのプレスリリースで、テゼスパイア皮下注210mgシリンジ(一般名:テゼペルマブ[遺伝子組換え]、以下「テゼスパイア」)が、既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症または難治の気管支喘息の治療薬として日本で承認を取得したと発表した。
本剤は、上皮サイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)を標的とすることで喘息の炎症カスケードの起点に対して作用する最初で唯一の生物学的製剤である。テゼスパイアは、血中好酸球数、アレルギーの状態および呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)を含む主なバイオマーカーによらない、広範な重症喘息患者集団を対象とした第II相PATHWAY試験および第III相NAVIGATOR試験全体において、一貫した喘息の増悪抑制が認められた。
相良 博典氏(昭和大学 医学部内科学講座 呼吸器・アレルギー内科学部門 主任教授)は、「重症喘息は、近年の治療の進歩にもかかわらず、多くの患者が頻繁に増悪し、生活の質を著しく低下させる疾患。テゼスパイアは、臨床試験において、幅広い層の重症喘息患者さんに対して効果を示し、このたび承認されたことで、患者さんに症状管理のための重要な新しい選択肢を提供できるようになる」と述べた。
また、Mene Pangalos氏(アストラゼネカ・バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデント)は、「テゼスパイアは、最初で唯一、広範な重症喘息患者に対しバイオマーカーの値によらず一貫して増悪を抑制することを示し、承認された生物学的製剤の喘息治療薬。広範な重症喘息患者集団の転帰を改善する可能性を有しており、当社は本剤を日本の患者さんに可及的速やかにお届けできるよう尽力する」、としている。
(ケアネット)