日本における片頭痛オンライン診療の現状

提供元:ケアネット

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公開日:2023/01/30

 

 2020年3月以降、COVID-19パンデミックによりオンライン診療の必要性が高まっている。日本では2022年4月に、ほとんどの疾患に対するオンライン診療が正式に開始された。長野・こむぎの森 頭痛クリニックの勝木 将人氏は、オンライン診療のみで治療を行った日本人頭痛患者の初の症例集積研究となる、初診から3ヵ月間の治療成績を報告した。その結果、オンライン診療のみで治療を行った3ヵ月の時点で、Headache Impact Test-6(HIT-6)スコア、1ヵ月当たりの頭痛日数(MHD)の有意な改善が認められた。著者は、オンライン診療は頭痛治療におけるアンメットニーズを解決するために普及することが期待されると、本報告をまとめている。Cureus誌2022年11月3日号の報告。

 2022年7月~10月にオンライン頭痛クリニックに相談し、オンライン診療のみで治療を行った初発の一次性頭痛患者8例を対象とし、レトロスペクティブに調査を行った。観察期間にわたり、HIT-6スコア、MHD、1ヵ月当たりの急性頭痛薬の使用日数(AMD)を調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者はすべて女性で、年齢中央値は30歳(四分位範囲:24~51歳)であった。
・治療前、治療1ヵ月後および3ヵ月後のHIT-6スコア、MHD、AMDの中央値は、以下のとおりであった。
【HIT-6スコア】
●治療前:63(四分位範囲:58~64)
●治療1ヵ月後:54(同:53~62)
●治療3ヵ月後:52(同:49~54)
【MHD】
●治療前:15(同:9~28)
●治療1ヵ月後:12(同:3~17)
●治療3ヵ月後:2(同:2~8)
【AMD】
●治療前:10(同:3~13)
●治療1ヵ月後:3(同:1~8)
●治療3ヵ月後:2(同:0~3)
・初診から治療3ヵ月後に、HIT-6スコア(p=0.007)とMHD(p=0.042)で有意な減少が認められたが、AMD(p=0.447)では認められなかった。

(鷹野 敦夫)

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