新規FGFR阻害薬futibatinib(開発コード:TAS-120)による既治療のFGFR2融合/再構成遺伝子陽性肝内胆管がん(CCA)に対する治療は、日本人でもグローバルと同等の有効性を示した。第20回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2023)で、国立がん研究センター中央病院の森實 千種氏が発表した、futibatinibの国際第II相FOENIX-CCA2試験の日本人サブグループ解析の結果である。
・対象:プラチナ化学療法+ゲムシタビンで進行したFGFR2融合/再構成遺伝子陽性CCA患者
・介入:futibatinib 20mg/日 3週ごとを病勢進行または許容できない毒性が認められるまで投与
・評価項目:
[主要評価項目]奏効率(ORR)
[副次評価項目]無病生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、病勢制御率(DCR)、安全性など
主な結果は以下のとおり。
・全体集団103例中、日本人患者は14例であった。
・日本人患者は全体集団と比べ、男性およびPS0が多く、放射線の前治療を受けた割合が少なかった。
・日本人患者のORRは28.6%、全体では41.7%、DCRは日本人92.9%、全体では82.5%であった。
・日本人患者のPFS中央値は全体と同様、9.0ヵ月であった。
・日本人患者のOS中央値は14.6ヵ月、全体では21.7ヵ月であった。
・安全性についても日本人集団と全体で大きな差はなかった。
発表者は、全体集団と比較した日本人集団の治療成績は同程度であり、標準的な化学療法より高い治療効果を示したと述べた。
(ケアネット 細田 雅之)