術前AC抵抗性TN乳がん、アテゾリズマブ+nab-PTXが有望/第II相試験

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2023/04/24

 

 トリプルネガティブ乳がん(TNBC)では、抗PD-(L)1抗体による術前療法で病理学的完全奏効(pCR)率が改善されるが、免疫関連有害事象(irAE)の長期持続リスクのためリスク・ベネフィット比の最適化が重要である。最初の術前療法で臨床効果が不十分な場合はpCR率が低い(2~5%)ことから、免疫チェックポイント阻害薬が選択可能かもしれない。今回、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのClinton Yam氏らは、術前ドキソルビシン+シクロホスファミド(AC)抵抗性のTNBC患者に対して、第2の術前療法としてアテゾリズマブ+nab-パクリタキセルを投与する単群第II相試験を実施し、有望な結果が得られた。Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2023年4月15日号に掲載。

 本試験の対象は、StageI~IIIのAC抵抗性(AC 4サイクル後に病勢進行もしくは腫瘍体積の80%未満の減少)のTNBCで、第2の術前療法としてアテゾリズマブ(1,200mg、3週ごと4回)+nab-パクリタキセル(100mg/m2、1週ごと12回)を投与後、アテゾリズマブ(1,200mg、3週ごと4回)を投与した。

 主な結果は以下のとおり。

・2016年2月15日~2021年1月29日にAC抵抗性TNBCを37例登録した。
・pCR/residual cancer burden(RCB)-I率は46%だった(ヒストリカルコントロール群:5%)。
・新たな安全性シグナルは観察されなかった。
・7例(19%)がirAEによりアテゾリズマブを中止した。

(ケアネット 金沢 浩子)